死刑制度
出典: Jinkawiki
死刑とは古くから存在する制度(処罰)で、対象者の命を奪う刑罰である。現在の執行方法は絞首刑や電気椅子、ガス殺刑が主流。
死刑制度については世界各国で議論がなされている。いまや世界の半数以上の国が法律上、また事実上死刑を廃止している。分類としては死刑を全面的に廃止した国、通常犯罪のみ廃止した国、事実上廃止した国、存置国の4つに分けられる。2007年までの記録では法律上、事実上の死刑廃止国の合計は135国、存置国は62国である。
死刑存廃国リスト
1.全面的に廃止した国(法律上、いかなる犯罪に対して死刑を規定していない国)
アルバニア、アンドラ、アンゴラ、アルメニア、オーストラリア、オーストリア、アゼルバイジャン、ベルギー、ブータン、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ブルガリア、カンボジア、カナダ、カボベルデ、コロンビア、コスタリカ、コートジボアール、クロアチア、キプロス、チェコ共和国、デンマーク、ジブチ、ドミニカ共和国、エクアドル、エストニア、フィンランド、フランス、グルジア、ドイツ、ギリシャ、ギニアビサウ、ハイチ、ホンジュラス、ハンガリー、アイスランド、アイルランド、イタリア、キリバス、リベリア、リヒテンシュタイン、リトアニア、ルクセンブルク、マケドニア(旧ユーゴスラビア)、マルタ、マーシャル諸島、モーリシャス、メキシコ、ミクロネシア(連邦)、モルドバ、モナコ、モンテネグロ、モザンビーク、ナミビア、ネパール、オランダ、ニュージーランド、ニカラグア、ニウエ、ノルウェー、パラウ、パナマ、パラグアイ、フィリピン、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、ルワンダ、サモア、サンマリノ、サントメプリンシペ、セネガル、セルビア、セーシェル、スロバキア共和国、スロベニア、ソロモン諸島、南アフリカ、スペイン、スウェーデン、スイス、東チモール、トルコ、トルクメニスタン、ツバル、ウクライナ、英国、ウルグアイ、ウズベキスタン、バヌアツ、バチカン市国、ベネズエラ
2.通常犯罪のみ廃止した国
アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、チリ、クック諸島、エルサルバドル、フィジー、イスラエル、キルギスタン、ラトビア、ペルー
3.事実上廃止した国(過去10年間執行されていない国)
アルジェリア、ベニン、ブルネイ・ダルサラーム、ブルキナファソ、中央アフリカ共和国、コンゴ共和国、エリトリア、ガボン、ガンビア、ガーナ、グレナダ、ケニア、大韓民国、ラオス、マダガスカル、マラウィ、モルディブ、マリ、モーリタニア、モロッコ、ビルマ(ミャンマー)、ナウル、ニジェール、パプアニューギニア、ロシア、スリランカ、スリナム、スワジランド、タンザニア、トーゴ、トンガ、チュニジア、ザンビア
4.存置国
アフガニスタン、アンティグアバーブーダ、バハマ、バーレーン、バングラデシュ、バルバドス、ベラルーシ、ベリーズ、ボツワナ、ブルンジ、カメルーン、チャド、中国、コモロ、コンゴ民主共和国、キューバ、ドミニカ、エジプト、赤道ギニア、エチオピア、グアテマラ、ギニア、ガイアナ、インド、インドネシア、イラン、イラク、ジャマイカ、日本、ヨルダン、カザフスタン、朝鮮民主主義人民共和国、クウェート、レバノン、レソト、リビア、マレーシア、モンゴル、ナイジェリア、オマーン、パキスタン、パレスチナ自治政府、カタール、セントクリストファーネビス、セントルシア、セントビンセント・グレナディーン、サウジアラビア、シエラレオネ、シンガポール、ソマリア、スーダン、シリア、台湾、タジキスタン、タイ、トリニダード・トバゴ、ウガンダ、アラブ首長国連邦、米国、ベトナム、イエメン、ジンバブエ
死刑制度の是非
死刑制度の目的としては未来の犯罪を予防する抑止効果(一般予防説)、矯正不可能な犯罪者が一般社会に対して再び害悪を生じないようにする排除目的(特別予防説)がある。しかし個別の刑罰の抑止効果は実証されておらず、死刑制度反対派の指摘要因にもなっている。また冤罪の可能性、生命の絶対的尊重も廃止理由の要因である。先進国で死刑執行を続けているのは現在、アメリカと日本の二カ国だけである。米国に関しては州の三分の一が死刑執行の廃止・停止を行っている。また、EU加盟の条件に"死刑廃止"が掲げられ、ヨーロッパではベラルーシ(旧ソ連)以外のすべての国で死刑制度は事実上消え去ったといえる。日本は過去に2度、国連から死刑廃止への取り組みについて勧告を受けている。さらに2008年の調査では2390件の死刑執行のうち最も執行数が多いのはアジアであり、なかでも中国が72%を占めていると伝えた。
このように死刑廃止を求める国や人々が増え、死刑制度の存廃問題が顕著となっている。日本は無期懲役以上の刑罰がないため、死刑を廃止するには"終身刑"の既定が必要であるという声もある。また死刑が廃止されれば復讐殺人が増え、悪循環を生むという意見も聞かれる。死刑制度廃止に関しては多くの議題が残っているのが現状である。
参考資料
「死刑廃止info!」 http://homepage2.nifty.com/shihai/index.html