気候区分
出典: Jinkawiki
各地の気候を類型化し、その分布を示すこと。区分された地域を気候区という。様々な区分があるが、現在も用いられることが多いのはケッペンによるものである。
ケッペンは、植生分布が気候条件を反映していることに着目し、植生に大きな影響を与える気温と降水量の限界値を用い、世界の気候を区分した。区分方法が単純で経験的に理解できる一方、気候の地域的差異を生む成因を無視した区分との批判もある。
大陸性気候とは、海から遠く離れた大陸内部の気候であり、気温の年較差や日較差が大きく、降水量が少ない。海洋に比べ、温まりやすく、冷めやすい陸地の熱的性質によって生じる。雨が少ないために乾燥し、蒸発で失われる熱量が小さいので、日中の気温は著しく上昇する。日本の内陸盆地でも類似した気候が見られ、内陸性気候とも呼ばれる。
海洋性気候とは、大陸性気候の対語。気温の日較差や年較差が小さく、降水量・湿度・雲量などが多い。大洋上の島だけでなく、海洋から大陸に向かって卓越風が吹く地域では内陸までこの気候が現れる。特に偏西風帯にある大陸西岸で顕著。
西岸気候とは、大陸西岸に見られる気候であり、緯度によって傾向が異なる。中・高緯度では東岸に比べ、気温の年較差が小さく冬は暖かいのに対し、低緯度では一般に東岸に比べ低温になる。緯度による気温の差が小さいことも西岸気候の特徴といえる。
東岸気候とは、一般に中・高緯度の大陸東岸に見られる気候を指す。西岸気候の対語。気温の年較差が大きく、沿岸でも大陸的傾向を示す。年間を通して見ると、同じ緯度の場合、西岸より降水量が少なく、乾燥している。
参考文献:地理用語集(山川出版)