水の民営化 2

出典: Jinkawiki

民営化のモデル

水道事業の民営化には3つのモデルがあるとされている。第1のモデルは上下水道処理システムを政府が企業にそのまま売却するものである。第2のモデルは水道企業に事業権を政府が売却または長期的に賃貸する。この場合、企業はシステムの整備運営費を負担する代わりに水道料金を徴収し、費用との差額を利益とするものである。第3のモデルは企業がより制限を受ける。企業は水道事業の経営をまかせられ管理費を受け取るが、料金の徴収はできず、利益となるのは管理費の残りのみである。どのタイプも民営化の元となるが、第二のモデルが主流である。


民営化の問題点

民営化されると、利益の上がる収入を確保するために従来よりも高い水道料金を請求するため、価格上昇により料金を支払うことができずに水道の供給が止められてしまう市民が多く出てくる。スエズという水道産業の大手会社は、利益を維持するために従業員を大量に解雇したと公共サービス国際研究所によって報告されている。このような企業の行為は社会の混乱につながる恐れがある。しかし、現金が欲しい政府は、国の財政問題の解決しようとして、水道事業の民営化を急ぐのである。実際には多くの国で実施されている法人税の大幅減税により、多くの地方自治体は事業や公共サービスの支払いに必要な税収がなくなり、政府と公共機関は借金や赤字に苦しんでいる。


水の平等性

地球は水の惑星といわれているが、98%が海水、2%が淡水である。世界の人口は毎年増え続けている一方で淡水は減少していて、これを世界の人々と分けあわなければならない。しかし、水が商品化されたことで、北半球の住民(地域別ではアジアが最も多く、北米が約2割、欧州が約1割)のほうが第三世界の人々よりも多量の水を消費していて、水ストレスに悩む人々の4分の3は第三世界の人々である。世界の人々に公平に行き渡っていないのが現状である。


≪参考≫ 

「水」戦争の世紀 集英社

http://www.mlit.go.jp/tochimizushigen/mizsei/j_international/about/about002.html


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