水俣病8

出典: Jinkawiki

水俣病

・公害病とは 水俣病、新潟水俣病、四日市ぜんそく、イタイイタイ病を四大公害病のことを指す。企業活動による排煙や排水などが海や川、大気を広い範囲で汚染し、住民に健康被害を生じさせた。戦後の高度経済成長期に増加し問題となり、公害対策基本法の制定や環境庁設置など環境行政の制度作りが進んだ。

・水俣病 発生は1956年ごろで、チッソという企業が産業活動によって生み出された有機水銀を含む有害物質を未処理のまま大量排出し、環境を汚染し、人体に取り込まれて起きた公害病であり、中枢性の神経疾患が主要症状。被害は熊本、鹿児島猟犬を中心に、水俣病と疑われた患者数は五万人を超えている。

・新潟水俣病 1965年に新潟県の昭和電工が流した排水により、阿賀野川流域には発生した。原因は有機水銀。

・訴訟 チッソは熊本県知事からの斡旋により、患者たちの間に、チッソが原因とわかっても保証の請求はしないという条項を盛り込んだ条約を結んだ。これを不服に思う患者やその親族たちは訴訟を起こした。1995年に関西訴訟を除く患者団体との間に和解が成立し、政府解決法が実施された。ところが話題に応じず唯一裁判を継続していた関西地区に移住していた患者たちが起こした訴訟で、2004年に水俣病関西訴訟の最高裁判決が下され、チッソと並んで国・熊本県の責任が水俣病事件史上初めてと認められ、また、未認定患者原告も水俣病と認められた。

・現在の課題 水俣病をめぐる患者への保証と救済はまだ終わっていない。現在でも新潟県で新たな水俣病訴訟、など6件ほどの訴訟が続いている。また、水俣病に対する偏見の克服や、地域経済社会の再生等の問題、さらに水俣病の経験を活かすべき多くの課題が残されている。

参考文献 http://www3.kumagaku.ac.jp/minamata/wp-content/uploads/2011/09/2011hsiryou2.pdf

「四大公害病」2013、政野淳子、中央公論新社


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