汚水の排出権取引制度
出典: Jinkawiki
下水道施設から排出される汚濁物質量に上限を設定し、自治体間で排出量の売買を行うことで良好な水循環、水環境の創出につなげる仕組みのこと。排出権取引の仕組みは温室効果ガスについて制度化が進められているが、下水道排水でも水質汚濁物質の排出抑制を目的として導入され、排出枠を超える自治体には、他の自治体からの枠の購入や効果的な汚水処理の遂行が求められる。逆に枠を下回る自治体には余剰排出権の他自治体への売却を認め、売却益をより高度な汚水処理への活用を求める。2002年度から国土交通省下水道部が主体となって検討を進め、2004年度にはより実態に即した検討が行われ、検討結果がとりまとめられた。そして2005年の下水道法改正に伴い、1.流域別下水道整備総合計画に、終末処理場ごとの窒素又は燐の削減目標量を定めなければならないこと、2.他の下水道管理者の肩代りをして削減目標量の一部に相当する窒素又は燐の削減をする場合、その下水道管理者に費用を負担させることができることが定められた。