注意欠陥/多動性障害
出典: Jinkawiki
注意欠陥/多動性障害(ADHD Attention Deficit / Hyperactivity Disorder)は、軽度発達障害のひとつである。
定義
文部科学省が平成15年に出したものによると 「ADHDとは、年齢あるいは発達に不釣り合いな注意力、及び/又は衝動性、多動性を特徴とする行動の障害で、社会的な活動や学業の機能に支障をきたすものである。また、7歳以前に現れ、その状態が継続し、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。」 ADHDを2つのタイプに分けると、不注意優勢型(注意集中の持続が短い)と多動性ー衝動性優勢型(多動や衝動性が目立つ)に分類できる。
症状及び支援方法
主な症状としては、注意を継続することが困難で、例えば授業中じっとしていられないなどがある。また、ソーシャルスキルが弱く、しばしばクラスメートとケンカをしたりする。さらにはルールを守れないなどがあげられる。
支援の方法として考えられるのは、まず前提として、クラスの雰囲気を落ち着いた、成熟したものにしていく必要がある。クラス全体が騒がしい雰囲気では支援自体が難しい。クラスの成熟度を上げつつ、対象の子どもにルールをしっかりと教えていくことが大切である。また、聴覚だけでは伝わらないこともあるので、ただ言葉で伝えるだけでなく、実際にどのようなことをしてはいけないのか、絵に書いたりして不適応行動を起こしたらその都度伝えていくというのも必要である。
現在では薬物利用も注目されている。中枢神経刺激薬などによって症状が一時的に緩和し、学習の促進が図られる例も多く報告されている。常時利用する場合や、特に多動が強い日などに利用する場合などがあるが、当然のことながらどちらの場合でも副作用が起こること(眠気や頭痛、腹痛など)もあるので注意が必要である。また、一般的にADHDは、その子の成長に応じて緩和していくこともあり、発達障害の中では完治する可能性のある数少ない障害であろう。
参考文献
特別支援教育基本用語100/明治図書