独自課税

出典: Jinkawiki

独自課税

都道府県民所得が減少すると、当然、その自治体の税収は減少し、予算の規模も縮小せざるをえない。なかには全職員の給与をカット、単独事業のカットを行う自治体や、倒産に近い「財政再建団体」に転落する自治体も現れている。

そのような状況で考えられたのが、様々な新税である。地方税法で定められた住民税、固定資産税等の各税目以外に、課税自主権に基づき条例により各地方団体が、課税を行うことである。独自課税は2000年4月施行の地方分権一括法で法定外普通税が国の許可制から協議制に変わり、法定外目的税が新設されたことで、拍車がかかった。

独自課税は本来、地域住民が受益に応じた負担を自己決定するのが趣旨。ところがこれまでの多くの例は「議会の抵抗も少ない企業や地域外の住民からとる」「特定者を狙い撃ちする」などのパターンが多い。

東京都の銀行に対する外形標準課税のように裁判で争われた例もある。また、新税により増収が期待されるが、その一方で、増収になると地方交付税が減るなどの問題があり、財政への不安は消えていない。財源確保のため、続々導入された新税であるが、国から地方交付税依存の体質を脱却し、財政難解消の切り札になるか注目されている。

地方自治体のおもな独自課税

核燃料課税 (北海道)

宿泊税 (東京都)

臨時特例企業税 (神奈川県)

遊漁税 (山梨県の富士五湖町)

環境廃棄物税 (三重県他)

歴史と文化の環境税 (福岡県の太宰府市)

石油価格調整税 (沖縄県)


◇参考文献

『クローズアップ現代社会』2007 第一学習社

Yahoo!ニュース  http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/local/discretionary_tax/


  人間科学大事典

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