留学生30万人計画
出典: Jinkawiki
<留学とは> 留学とは一定期間、海外に渡り教育や研究活動に従事すること。国費による留学は文部科学省の在外研究員として派遣される。現在,約 30ヵ国から日本の留学生が給費招致されており,その他,各種の留学生が年ごとに増加している。また諸外国からの日本への留学生も漸増している。日本では古く遣隋使・遣唐使に留学生を同行させた。幕末の開国以後,欧米への留学が始まり,維新後,政府は西洋文明吸収のため留学を奨励,海外留学生規則(1870年)により官費留学を制度化。これによる留学生(のち文部省在外研究員と称)は第2次大戦による中絶までに3000人を超えた。戦後1950年度から文部省在外研究員の制度が復活,また米国のフルブライト交流計画によるものをはじめ,外国政府等の給費による留学生の招致も盛ん。
<留学生30万人計画とは> 海外からの優秀な留学生の受け入れや、大学間の交流の活発化、世界で活躍できる優秀な日本人の育成などを目的として作られた計画。その意義として、①国際感覚を磨く②①で磨いた国際感覚を通じ国際理解・知識の拡大、語学力の向上など学生の能力や可能性を広げる。③留学を通じ国境を超えた幅広い人的ネットワークの形成につなげる。また、国として、④国際的な競争環境の中での国際的通用性のある人材の育成や受入れと同様に人的ネットワークの形成による相互理解と友好関係の深化⑤安全保障に貢献する⑥大学等の教育研究機関の水準の向上などを文部科学省はあげている。また、個人や国に限らず、留学する学生を有する大学等にとっても双方向の相互交流に基づく大学等間交流の拡大や、オフショア・プログラム、日本語教育・日本文化の普及など日本の高等教育機関の海外展開に活用することもできるなど得るものは大きい。 <留学推進方策と課題> 2004年に日本から海外へ留学する学生の数は82945人と最高になりその後は減少の一途をたどっている。理由は定かではないが、学生の留学に対する意欲の低下が予想されている。このため、国や日本学生支援機構では、長期や短期の海外留学のための奨学金制度の取組を引き続き推進するとともに、各大学の優れた留学ブログラムを支援する取組も同時に推進していく必要がある。また、諸外国との学年暦の違いが留学を阻害しているとの指摘もあることから、大学等への秋季入学を促進する方策の検討も必要である。大学では外国語教育を充実させ、単位互換など魅力度の高いプログラムを採用し留学性を獲得しようとしている。また、学生にとって留学するにあたり、現地の治安の状況は不安要素になりかねないので、事前にセーフティネットを用意し、緊急時にも安全であるということをアピールする必要があるとされる。さらに、大学が企業などと連携し、留学が卒業後の就職などに役立つということを明確に提示する必要がある。 なお、平成23年度から全面実施される新学習指導要領により、小学校5、6年生に外国語活動が導入されるなど今後初等中等教育における外国語教育の充実が図られることとなるが、このような初等中等教育段階からの外国語教育が、日本人学生の海外留学に必要な語学力を向上させる基礎として重要である。英語教育が小学生から行われるにあたり、留学のことについて紹介する機会などを早い段階で設けるのも留学生を増加させる一つの手立てとなる。 一方課題が山積していることもまた、問題である。問題の一つとして、日本の学生の留学先の半数は米国への留学である。相互交流の観点からは米国のみならず、受け入れ留学生の多いアジア諸国への留学・体験についても配慮や誘導が必要である。その際、既存の域内交流の枠組みを活用することに加え、新たな地域交流のあり方も考慮の一つにいれられている。留学のレベル別に考えると、日本の大学に在学中に1年以内の期間、特定の科目の単位取得、異文化体験、語学学習などを目的とした短期留学を積極的に推進することが重要である、とされている。
○参考文献 https://kotobank.jp/word/留学-149515 コトバンク「留学」
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/houkoku/attach/1249709.htm 文部科学省 日本人の海外留学について (elect)