異常気象2
出典: Jinkawiki
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異常気象
異常気象というのは、メディアによる造語である。気象学的には、異常天候(abnormal weather)や極端気象現象(extreme weather event)などと呼ぶ。この用語は、「(同じ地点で)30年に一度程度しか観測されない気象状態」と定義されている。しかし、異常気象が世界のすべての場所で同時に起こるわけではないので、「30年に一度」とは言っても毎年地球上のどこかで異常気象が起こっている。又、異常気象の時間のスケールは局地的な豪雨では数時間であるが、日本列島を覆う猛暑などであれば大気長周期変動が関与して1~2週間程度持続することがある。
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2013年の猛暑
最近日本で計測された異常気象では、例を挙げると2013年の夏の猛暑である。6~8月平均の気温偏差は、西日本で+1.3℃を記録した。これは統計を開始した1946年以降で最も高い値であった。特に8月上旬には、全国の1/3の地点で猛暑日を記録し、8月12日には高知県四万十市で日本の気象観測史上最高となる41℃を記録した。
この時のアジア域の大気の様子としては、対流圏上層にあるユーラシア大陸上のチベット高気圧が東へ張り出すとともに、地表付近の太平洋高気圧が南西へ伸びて、上下ともに高気圧が重なることで、西日本が高温の空気に覆われていたことが分かっている。上層高気圧の変動にはフィリピン付近の活発な対流活動が関わっていた。
日本では、異常気象が起こるたびに気象庁と大学研究機関の専門家が集まって迅速に要因を分析する体制ができている。しかし、猛暑が「どのように起こったか」を説明することができても、「なぜ(このときに)起こったのか」を説明することは難しい。
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参考文献
渡部雅浩(2018)「絵でわかるシリーズ 絵でわかる地球温暖化」講談社
H.N ときあ