発展途上国の教育

出典: Jinkawiki

発展途上国について

 発展途上国は、経済において成長の途上にある国を示す。国民一人あたりの実質所得が低く、開発途上国ともいわれる。発展途上国の問題の一つが教育である。アフリカや南アジアでは特に深刻で、小学校に通えない子どもたちのうち、3400万人がサハラ以南のアフリカの子どもたちだ。また、学校に通えない子どもたちは女子に多く、男女格差もみられる。2000年以降、多くの地域で教育の環境が改善されたが、地域によっては、いまだに多くの子どもたちが教育を受けられていない。

教育を受けられない背景

 発展途上国の子どもたちが教育を受けられない理由として、一つ目に、労働があげられる。2017年の国際労働機関のデータでは、5歳から15歳の子どものうち、1億5200万人が働かなくてはならない状況にあるという。子どもでも働く状況にあるくらい貧しいため、学校に行くためのお金がないのは言うまでもなく。さらに、その子どもたちの家族も、子どもの収入をあてにしていて、子どもたちには学校に行く時間もない。二つ目は、学校の数が足りないことだ。農村部では、学校まで行くのにも長時間歩かなければならない。登下校を心配して娘に通わせたくないという親もいる。また、近くに学校があったとしても、設備が整ってなかったり、教室の数や教科書が足りなかったりと、子どもが学ぶのに良い環境とは言えない。三つ目は、教師や学校教育の質が低いことだ。教育の質が低いために、読み書きすらできずに学校をやめていく子どもたちも少なくない。時間割やカリキュラムは示されているが、子どもたちのレベルにあっていないと思われる。四つ目は、安全な通学手段がないことだ。2018年のユニセフの発表では、世界の学校に通っていない子どもたちのうち、1億400万人が、紛争や自然災害などがおこる地域で暮らしていて、安全性に欠けている。そんな地域で長時間歩いて学校に通うことは難しいだろうし、学校が破壊され、通えなくなる場合も考えられる。また、その環境で育った子どもたちが大人になったとき、貧困の連鎖が続いたり、学校に行く必要性が理解できなかったりする。さらに、男女差別は発展途上国だけの問題ではないが、宗教や伝統、慣習によって、女の子だから学校に行かせてもらえないという事情もいまだにみられる。

教育の支援

 発展途上国で十分な教育を受けられない子どもたちのために、いくつか支援もされている。まず、水を中心とした衛生環境の改善である。清潔な飲み水や適切なトイレの設置などで、衛生面を整え、さらに子どもたちが水くみに時間をとられないようにもなった。教師の育成も始め、研修や実践授業が行われたり、日本からも教師がボランティアに行ったりしている。給食を配布したことで、貧困な家庭の親が、給食を理由に子どもたちを学校へ送り出すようになった。そのほかに、教育の必要性を伝える支援も行われている。

<参考文献>gooddo 「発展国の教育の現状や問題点、行われている支援活動は?」https://gooddo.jp/magazine/education/3358/      広辞苑 第六版 「発展途上国」 ハンドルネーム 山の神


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