発達障害2

出典: Jinkawiki

目次

発達障害とは

発達障害者支援法において、「発達障害」は「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害、その他これに類する脳機能障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの」(発達障害者支援法における定義 第二条より)と定義されている。これらのタイプのうちどれにあたるのか、障害の種類を明確に分けて診断することは大変難しいとされており、障害ごとの特徴がそれぞれ少しずつ重なり合っている場合も多い。また、年齢や環境により目立つ症状がちがってくるので、診断された時期により、診断名が異なることもある。

発達障害の分類 大きく分けて3つに分類することができる

  • 広汎性発達障害(Pervasive Developmental Disorders:PDD)

 発達に歪みがあり、通常はしない特異な行動が見られる。

  • 精神遅滞(Mental Retardation:MR=知的障害)

 発達に遅れがあり、スキルの獲得に時間がかかる

  • 学習障害(Learning Disorders:LD) 、注意欠陥/多動性障害(Attention Deficit/Hyperactivity Disorders:AD/HD)

  発達に偏りがあり、特定の分野において困難が見られる。


基本的な支援の原則

  • 肯定的な対応

 本人が成功体験をし、生き甲斐を感じ、自信をもって物事に取り組めるようにすることが支援の原則。失敗経験が多いと、課題を避けるようになったり、何事にも回避的・否定的になったり、自分はだめだと落ち込んだり、他の人や社会のせいにして批判的・攻撃的・反社会的行動傾向が強まったりしてしまう。失敗経験が多く自己肯定感が低下している場合、本人ができないことや失敗したことを責めたり、叱ったりすることは、より本人を追いつめる結果をもたらしてしまう。注意をする場合も努力している点やうまく行っている点をほめたうえで、どのようにすればもっとよくなるかを肯定的、具体的に伝えていくことが大切である。           

  • スモールステップによる支援

 スモールステップとはちょっぴりがんばればできそうな、手の届きそうなことを目標にするやり方のこと。課題を細かく分けて一つずつクリアできるように手助けするのがスモールステップの支援の考え方。スモールステップは学習や仕事などさまざまな場面で有効。


日本の取り組み

  • 発達障害者支援法

発達障害者支援法(平成16年法律第167号)に基づき、発達障害者の乳幼児期から成人期までの各ライフステージに対応する一貫した支援の推進を図る観点から、保健、医療、福祉、教育、労働などの領域を含めた総合的な施策の推進を図る。

  • 障害者雇用対策

障害のある人が障害のない人と同様、その能力と適正に応じた雇用の場に就くことができるような社会の実現を目指し、障害のある人の雇用対策を総合的に推進している。


世界の取り組み

(世界自閉症啓発デー)

  • オーストラリア

政務次官(障害と児童のためのサービス:と政務次官(児童早期教育・児童ケア)による共同プレスリリースが行われた。そこで政府出資による自閉症専門早期療育センターの開設、また自閉症をもつ子どもへの支援パッケージの一環としての早期ワークショッププログラムの立ち上げが発表され、家族・住宅・コミュニティサービス・先住民大臣は世界自閉症啓発デーを祝し、自閉症専門早期療育センターへの期待を述べた。

  • イギリス

世界自閉症啓発デー当日に、「自閉症スペクトラム症状のある大人へのサービス:プライマリーヘルスケア担当および地方自治体職員のための実践手引き」が出版された。保健省のケアサービス担当大臣は、「自閉症のある人々の多くは未診断であり、誤解を受け、支援を必要としている。世界自閉症啓発デーの今日、私は彼らの傍にいるということを明言します」と述べた。 


特別支援教育

近年話題になっているLD,ADHDなどのいわゆる軽度発達障害のある子どもたちは、これまでの日本の教育システムの中では適切に対応されてこなかった。しかし、2002年における文部科学省の調査では、学習あるいは行動に著しい困難を有する子どもは、6.3%に上ることが示された。特別支援教育とは、従来の特殊教育の対象の障害だけでなく、LD,ADHD,高機能自閉症を含めて、一人一人の教育のニーズを把握し、適切な教育・指導を通じて必要な支援を行うことを目的とするものである。

≪参考文献≫


  人間科学大事典

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