砂漠

出典: Jinkawiki

砂漠


砂漠とは

英語でdesert、ラテン語で「desertus」。人気のない、荒地、の意。 年平均降雨量が250mm未満で、降雨量として供給される量よりも多くの水が蒸発し、植生が少ないため水の確保が困難な場所。

少ない降雨量、乾燥した気候、生物学的な生産性が限られているという3点は砂漠の定義として欠かせない。大気循環による広範囲にわたる乾燥があるか、また各地域の気候条件によっても砂漠になりやすいところはある。海洋から遠い、風上にひどく高い山があるなどの地理的条件下では砂漠になりやすい。


砂漠の種類

・極砂漠(polar desert):常に寒冷、ほとんど降雨がない地域。南極の凍結しない乾燥谷が代表的。南極とグリーンランドの内陸にある。

・中緯度砂漠(mid-latitude desert):海洋の影響から遠くはなれた、中緯度の大陸内部。海洋の影響をほとんど受けない。わずかな降雨と高い気温が特徴。ゴビ砂漠やタカラマカン砂漠などがある。

・亜熱帯砂漠(subtropical desert):地球最大の乾燥地域、大陸の西部、中部の下降気流の発達する高圧気団がある亜熱帯の赤道側。北緯・南緯が15(20)~30度の範囲。降雨がほとんどなく、昼と夜の温度差が大きい。サハラ砂漠やアラビア砂漠、カラハリ砂漠、オーストラリアの砂漠がこのタイプに入る。

・海岸砂漠(coastal desert):亜熱帯地域の大陸、又は大きな山脈の海岸側。水温の低い海流が湧昇流となり、海岸部の気温を低下させる。涼しく、高湿度で、ときどき霧がでる。ナミブ砂漠やチリのアタカマ砂漠が挙げられる。特にアタカマ砂漠は東にアンデス山脈、西に寒流であるハンボルド海流があり、最も乾燥した地域といえる。

・不毛な砂漠(desert of infertility):中緯度砂漠に似ているが、気候というより人為的な原因が大きいところ。毎年地球上で約5万2000km²以上の乾燥地周辺の草原地帯を砂漠化することで生まれている。砂漠化とはかつては生産性があったが、土地が疲弊し砂漠が拡大することをいう。過放牧や森林伐採、表面採掘の放置、地下水の枯渇など。アフリカのサヘル地区が代表的。


参考文献

吉川賢・山中典和・大手信人編『乾燥地の自然と緑化―砂漠化地域の生態系修復に向けて―』共立出版 2004/4/25

B.W.ピプキン・D.D.トレント著 佐藤正・千木良雅弘監修 全国地質調査業協会連合会環境地質翻訳委員会訳『シリーズ 環境と地質 第Ⅳ巻 地球環境と社会』古今書院 2003/11/22


written by oimo


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