砂漠化6
出典: Jinkawiki
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概要
1968-73年のサハラ南緑での大干ばつを契機に世界各地の砂漠化が注目を集めている。砂漠化は砂漠周辺部と砂漠における砂漠的現象のの拡大である。主なものとしては植生の悪化、砂の移動、塩類化がある。書庫性の悪化は特に多年生の草木の枯死に決定的となる。植生が減少すると、雨水の流出のピークが大きくなるため、土壌浸食が大きくなり、大規模なガリー(雨裂)も発達してくる。植生の減少はまた、固定砂丘の再移動をもたらす。塩類化は灌漑地で多くみられる。水の供給が少ないと毛管現象により、多すぎると湛水によって塩類が集積する。砂漠化の原因は降水の減少と人為の二つがあげられる。人為による原因としては第一に過放牧があげられる。サハラ南緑では何年かおきに干ばつを経験するが、1968-73年の被害が大きかったのは、人口増加による過放牧と燃料用の灌木を大量に伐採したことが大きな原因であったと指摘されている。また乾燥地開発もその方法をまちがえると砂漠化の原因となる。家畜の飲料水用の井戸を多く掘りすぎた場合、牧草の生産量以上の家畜が集まり、植生の悪化をもたらす。また、排水設備の不十分な灌漑が行われた際の塩類化などがその例である。
砂漠化の本質
「砂漠化」とは、「土壌が植物などが育成できないほど劣化すること」だ。土壌が劣化していくことで、植物栽培ができなくなり、ひいては「食糧問題」につながる。
世界で進む砂漠化
国際砂漠化対処条約事務局は、世界の砂漠化の現状について次のように報告している。 地表の約半分(41%)を占める乾燥地に世界の3人に1人(24億人)が住み、その半数は世界で最も貧しい。 私たちの食糧の44%、家畜50%を乾燥地で生産している。 乾燥地で農業を行っている人は26億人。 農業を行っている土地の52%は土壌劣化(砂漠化)が進行。 すでに15億人の人が土壌劣化の悪影響を受けている。 毎年、干ばつと砂漠化で1200万ヘクタール(日本の国土面積の約3分の1)が失われ、結果、毎年2000万トンの穀物が減収している。 熱帯林と亜熱帯林の42%は乾燥した森林。世界の生物多様性の大部分は乾燥地帯の森林で維持されている。
砂漠化の原因
乾燥地の土地の劣化の原因は、過放牧、過耕作、森林減少、過開拓等が挙げられる。そして、砂漠化が次の砂漠化を引き起こすという悪循環も生じる。つまり、砂漠化によって食糧生産が悪化することで、次の過放牧や過耕作を引き起こし砂漠化を一層悪化させてしまう。 過放牧や過耕作、過開拓はいずれも先進国中心の経済活動が根底にある。しかしその土地で状況が変わるので、直接原因も場所ごとに違ってくる。
砂漠化防止の世界の取り組み
1968年から1973年にかけてアフリカのサヘル地域の大干ばつが発生し、100万人が死亡し、5000万人が干ばつの影響を受けた。この大干ばつを背景とし、1977年に国連砂漠化防止会議が開催。各国や国際機関が行うべき「砂漠化防止行動計画」が採択された。 砂漠化対処条約(太字) その後も砂漠化はとまらず、砂漠化防止の知見を集め、国際的に対処をするため、1992年のリオ地球サミットで「砂漠化対処条約」を採択することを国連総会に要請することを決定し、1992年のリオ地球サミットでは、「気候変動枠組み条約」「生物多様性条約」が採択され、この2つの条約と合わせて、リオ三条と言われている。 この条約の締結国は193ヶ国とECで2年ごとに国際会議が開催されている。 国連砂漠化対処の10年(太字) 世界的に砂漠化防止の政策を実施するために、2010~2020年の10年間を砂漠化対処の10年と決めている。
参考文献 世界大百科事典 発行 平凡社
http://www.chikyumura.org/environmental/earth_problem/desertification.html 地球村