神智学
出典: Jinkawiki
語源
神智学とは、神の認識を求め、究極的には人間精神と神との合一を目ざす教義体系、およびその実践方法である。theosophyは、ギリシア語のtheos(神)とsophia(知恵)の合成語で、『新約聖書』にも、パウロの書簡に「隠された奥義としての神の知恵」として出てくる。
シュナイターの神智学
ルドルフ・シュナイター(1861-1925)は超感覚的な世界のいくつかの事柄について『テオゾフィー』という本を出版した。シュナイターは、感覚的な世界だけを認めようとする人は、この本を空疎な空想の産物と見なすが、人々が感覚的な世界の外へと導いてくれる道を探求しようとするとき、私たちはすぐに、「もう1つの世界に目をむけることによってのみ、人間は人生の価値と意味を受け取ることができる」ということを理解すると。しかし、多くの人々が恐れているように、このような超感覚的な世界に目をむけることによって、「現実の」人生から疎外されることはなく、むしろ超感覚的な世界に目をむけることによってはじめて、この人生の中で確実、しっかりと立つことができるようになると述べている。こうしたことで、私たちは人生の原因を認識することを学び、初めて感覚的な「現実」に意味が与えられる。そして、本当の意味で「実際的な」人間になると考えられている。
また、シュナイターは存在の高次の領域において「教師」になるためには、その人の感覚がこの領域に向かって開かれているというだけでは不十分であり、通常の現実において。教師という職業に学問が必要であるのとまったく同じように、存在の高次の領域においても、教師になるためには「学問」が不可欠であるとされている。このような存在の高次の領域を学ぶことで、人間としての自己使命を果たすことができるのである。その方法として、シュナイターはまず人間の本質はなんであるのかについて、体(周囲の事物が人間に自己を示すところのもの)・魂(人間が自分のあり方と結びつけ、それによって気に入る気に入らない、快と不快、喜び、苦しみを事物から感じ取るもの)・霊(もし人間が、事物を「いわば神的な態度」で観るとき彼に示されるもの)の3つに分けて考えた。
神智学と宗教
また、神智学は、様々な宗教や神秘思想、オカルトを1つの真理の下で統合することを目指している。そのために、様々な宗教や神秘主義、オカルトが扱われることになり、古代エジプトの神秘主義、ヘルメス思想、ギリシャ哲学、キリスト教、新プラトン主義、グノーシス主義、カバラ、ヴェーダ、バラモン教、ヒンドゥー教、ヨーガ、仏教、ゾロアスター教、フリーメーソン、薔薇十字団、魔術、錬金術、占星術、心霊主義、神話、などが様々な文脈の中で引用されたり語られたりしている。
―参考文献―
『テオゾフィー』 ルドルフ・シュナイター 著 松浦賢 訳 柏書房
―参考URL―
[ http://www006.upp.so-net.ne.jp/ekorange/sintigaku.htm 神智学ー認識の小道]