第二次世界大戦12

出典: Jinkawiki

第二次世界大戦勃発

目次

背景

1939年、ヒトラーがポーランドに対してダンチヒとポーランド回廊の割譲を要求する。ダンチヒは国際連盟管理下にある、ポーランド唯一の海港。ポーランド回廊は、ベルサイユ条約でポーランド領となったが、ドイツ系住民が多い場所である。ドイツは東プロイセンとドイツ本国を結ぶ鉄道とアウトバーンの建設を計画していたため、ポーランド回廊が必要であった。ポーランドは要求を拒否する。ヒトラーは、ミュンヘン会談のような決着を期待したが、英仏はすでに宥和政策を葬り、軍備の増強を急いでいた。一方、ソ連はバルト三国やフィンランドに野心を持っており、ヒトラーとスターリンは互いの野心の補完のため、独ソ不可侵条約を締結(8月23日)、二国間でポーランドの分割を定めた。イデオロギーの異なる二国が同盟したことは全世界に衝撃を走らせる。この二日後、英仏はそれぞれポーランドと相互援助条約を締結。ポーランドを守ることをドイツや世界にアピールするが、ヒトラーは宥和政策の延長線上で、ポーランド併合も黙認すると期待していた。5月に締結していた独伊軍事同盟で、背後を固めたという慢心もあった。事態を楽観視したヒトラーは、9月1日に軍隊をポーランドへ進撃させ、3日、英仏はドイツへ宣戦布告。第二次世界大戦がはじまった。

第二次世界大戦

独軍の電撃戦によりポーランド軍は三週間で壊滅、これに前後してソ連もポーランドへ侵入、西ウクライナ、白ロシアを占領し、ポーランドは再び消滅した。ソ連はバルト三国を併合した後、領土交換要求を拒否したフィンランドとも開戦する。これには英仏だけでなく、ドイツもフィンランドを支援し、一時は大戦の敵味方の組み合わせが変わる可能性もあった。この行動でソ連は国際連盟を除名された。1940年4月、ドイツは中立国のデンマークとノルウェーに侵略し、5月には永世中立のオランダとベルギーを占領した後に、仏独国境の要塞ラインで難攻不落といわれたマジノ線を突破した。さらにダンゲルクの戦いで圧勝した独軍は、6月にパリ無血入城をはたす。

第二次世界大戦による他国の影響

フランス・イギリス

1940年のパリの無血開城は、イタリアの参戦を決意させ、ドイツの同盟国として、地中海を中心とした戦いをはじめた。また、中部フランスのビシーに対独協力のペタン内閣が成立した(ビシー政権)。一方、ロンドンではド・ゴールが自由フランス政府を樹立、レジスタンス運動を指導する。この年、日独伊三国同盟が調印され、日本軍は仏領インドシナに進駐した。1941年、アメリカは武器貸与法を成立させ、チャーチル挙国一致内閣のイギリス支援を決定した。フランスの降伏で、イギリスの敗戦を憂う米・ルーズベルト大統領は、中立法を改正して、連合国を支援する。独軍は対ソ連戦の準備とイタリア支援のため、バルカン半島に進出する。3月にはじめた作戦は6月末に完了し、バルカン半島全域を支配下に置いた。返す刀でソ連に宣戦布告、独ソ戦争が開始される。ソ連は日ソ中立条約で背後を固め、独軍の進撃を食い止めた。ルーズベルト大統領とチャーチル首相は戦後の設計図の構想を開始し、大西洋憲章を発表した。独ソ戦争の開始で第二次世界大戦は「民主主義対ファシズム」の戦争へ転換し、米英はソ連の支援を開始する。

アジア

日ソ中立条約は、日本にとっても背後を固める利点があった。日中戦争を泥沼化させた日本は、石油資源を求めて南方に進出する。しかし南方からの即時撤廃を要求するアメリカとの交渉は決裂、日本はハワイの真珠湾に奇襲攻撃をかけ(1941)、第二次世界大戦は太平洋域にも広がる。同盟国の独伊も対宣戦布告し、アメリカの対戦参加が決定した。1942年、日本軍は大東亜共栄圏の名のもとに、東南アジア諸国侵略を開始する。だが同年6月にミッドウェー海戦で、米海軍により壊滅的打撃を受けたのち、各戦線で後退がはじまった。この年、連合軍の反撃は欧州戦線にもおよぶ。スターリングラードの戦いでは、ドイツ精鋭部隊がソ連により壊滅し、独ソ戦争は形勢逆転する。北アメリカ戦線では、モロッコとアルジェリアへ米軍を中心とした連合軍が上陸し、反撃を開始した。

参考文献

「完全制覇 この一冊で歴史に強くなる! 世界史」 川村亮 立風書房 (2002) 「世界の歴史 第二次世界大戦と戦後の世界」 J.M.ロバーツ 五百旗頭真 創元社 (2003) 


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