紅茶
出典: Jinkawiki
紅茶
摘み取った茶の葉と芽を乾燥させ、もみ込んで完全発酵させた茶葉。もしくはそれをポットに入れ、沸騰した湯をその上に注いで抽出した飲料のこと。 ヨーロッパで多く飲用されなおかつ世界で最も紅茶を飲むのはイギリス人で、朝昼晩の食事だけでなく、起床時、午前午後の休憩にもお茶を楽しむ。このため、茶器、洋菓子なども発達し、洗練された。なお紅茶の文化は18世紀にアイルランドに伝わり、2008年現在国民一人当たりの消費量ではアイルランドがイギリスを抜いて世界一となっている。
日本
1876年に紅茶用茶樹の種子が導入され、鹿児島、福岡、静岡、東京に紅茶伝習所が設けられ、紅茶に適するアッサム種と中国種を交配し国産紅茶品種を作り、紅茶の製造がはじまった。昭和30年代半ばまでは1,500t以上生産されていた。品質のばらつきが若干多い傾向があるが、渋みがあまりなく、柔らかな口当たりを特徴とするまろやかな紅茶が多い。
生産
紅茶の最大の生産国はインドで、次いでスリランカ、以降ケニヤ、トルコ、インドネシアと続く。一般に高い標高の冷涼な環境で栽培されるものには、香りの優れたものが多く、強い日射の低地で栽培されたものに味に優れ、水色の濃いものが多いとされる。ダージリン、ウヴァ、キーマンなどは前者に、ルフナ、アッサムは後者に入る。一般に前者のものが高価である。近年では強い渋味を好む中近東地域で低地産紅茶の消費が増えている。 セイロン紅茶の場合、産地により最高品質の茶が採れる季節(クオリティ・シーズンと呼ぶ)が異なる。例えば、ウヴァは7・8月、ディンブラは1・2月となる。 現在の紅茶の製造法は、19世紀中頃、イギリスが中国紅茶の製法を参考に、インドアッサム種を用いて製造した方法が改良されたものである。 紅茶の製造は以下の工程からなる。
生産(栽培、収穫) ⇒ 萎凋 ⇒ 揉捻 ⇒ 玉解 ⇒ 篩分 ⇒ 揉捻 ⇒ 発酵 ⇒ 乾燥(⇒ 抽出)
簡単に言ってしまうと、収穫した茶葉を放置し、しおれさせた後に揉み潰してまた放置、茶葉が褐色に変化したところで乾燥させる。という工程の並びになる。しおれさせる工程を萎凋、揉み潰す工程を揉捻、茶葉が褐色に変化するのを待つ工程を発酵と呼ぶ。 従来は、茶葉の形状を残し、針状にまとめたもの(リーフタイプと呼ぶ)が一般的であったが、近年では、揉捻の際茶葉を磨砕し細かくしたもの(ブロークンタイプと呼ぶ)が増えている。萎凋を浅くしたブロークンタイプのものや、萎凋前の茶葉を裁断して作るもの(レッグカットと呼ぶ)もある。
参考文献
『一杯の紅茶の世界史』 磯淵猛 文春新書 文藝春秋
『紅茶の本 -増補改訂版-』 堀江敏樹 南船北馬舎
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