胎教
出典: Jinkawiki
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胎教とは
胎教とは、妊娠中に音楽を聴いたり、赤ちゃんに話しかけたりするなど、胎児にとって心地よい状態を作ってあげることを指す。人によって差はあるが、胎教を始める時期は妊娠5ヶ月前後が良いと言われている。この妊娠5ヶ月という時期は、ちょうど胎児の耳が発育・発達してくると言われる時期だからだ。胎児は当然まだ目が見えないので、まずは、母親のお腹の外の音をだんだんと聴き取っていくことが出来るようになる。赤ちゃんの耳から、脳の発育や情緒を豊かにしてあげようということになる。
胎教の方法
①ゆったりとした気持ちで過ごす。
②クラッシックを聴く。クラッシックが苦手な人は、好きな音楽を聴く。
③いっぱい語りかける。
④絵本を読んであげる。
⑤例編み物をする、オムツを縫う、ブロック遊びをするなどの指先を使うことをする。
⑥三日に一度ぐらいの割合でひらがなを書いてイメージしながら何かを関連させて絵も一緒に描く。 (例)「あ」と言う字を書くそしてアリの絵も描く(絵の苦手な人はアリの写真などを見ても良い)そして、もう一度「これはアリの「あ」だよ」と言いながら字を書く。
⑦散歩をするときに周りの目につくもの全てを具体的に教える。
⑧睡眠をよくとる
⑨食事は普段の3倍ぐらいよく噛んで食べる。これは生まれてからも続けたほうが良い。
⑩適度な疲れない軽い体操をする。
クラシック音楽との関係性
クラシック音楽は胎教や音楽療法で医療の分野にも取り入れられている。これには科学的根拠があるからなのだ。1/f(エフ分の1)のゆらぎという言葉を聞いたことがあるだろうか。そよ風や小川のせせらぎ、また虫の鳴き声、心臓の鼓動などは連続的だけど、一定でないゆらぎを持っている。このゆらぎに含まれる波動をfという記号であらわすと1/fのゆらぎが一番心地よいゆらぎになると言う研究結果が出ているようだ。この1/fのゆらぎを感じるとリラックスした状態になりα波が出るのだ。 クラシック音楽は他のジャンルの音楽の中で唯一この1/fのゆらぎを持っているのである。 ちなみにロックなどのハードな音楽は騒音と同じで人間にγ波(怒ったり興奮状態にあるときに出る脳波)を出させてしまう。 クラシック音楽はこの1/fのゆらぎを持っているので曲を聴くことによりリラックスすることができるわけだ。また、クラシック音楽は他の音楽と比べて音域が広いこと、そしてオーケストラ演奏で言えば多くの楽器が使用されているので、これらの曲を聴くことは耳の発育にとてもいいとされている。 赤ちゃんを抱っこするときに左を頭に抱くお母さんが統計的に多いのもこの1/fのゆらぎのある心音を赤ちゃんに感じさせるための母親の本能ではないかと言われている。
1/fのゆらぎについては現在もいろいろ研究されており、商品化されたものもある。1/fのゆらぎを持たせた木綿糸で生地が作られたり、1/fのゆらぎを持たせた真珠のネックレス、扇風機や泡風呂、枕などの製品に、この原理が生かされている。ある町では、道路に1/fのゆらぎを持たせて街路樹や電柱を配置したところ、その道を通りたくなる人が増えたそうだ。この結果から見ても人間は1/fのゆらぎを持っているものに引き寄せられるようである。
胎教の効果
①心が満たされて育つので、ぐずったり夜泣きをしない。
胎児もすでに意識を持っているので、お腹の中にいるときにお母さんやお父さんから積極的にコミュニケーションをされれば、それに応えようとする。さらに自分がお腹を蹴って試みたコミュニケーションにちゃんと返事があると、自分が何かを伝えたいときには必ず返事があることに全幅の信頼を置くので、不必要なときには何も騒ぐ必要がなくなるのだ。
②神経細胞がよく発達するので成長が早い
赤ちゃんの脳は未成熟で神経細胞の連絡が未完成だが、様々な刺激によりそれぞれの神経細胞が次第につながっていく。胎児のうちから刺激の回数や種類が豊富であると、神経細胞があちこちにつながり複雑になるので、脳には良い効果を表す。
③呼吸力が強く、元気
出産というのは今まで羊水に満たされていた肺に初めて空気が入ることなので、赤ちゃんにとって呼吸は恐怖の体験なのだ。しかし、胎教をきちんと行ったお母さんは、出産時に暴力的な出産をしないよう細心の注意を払うようになるので、それが赤ちゃんのスムーズな呼吸にもつながり、元気に呼吸をする子どもになる。
④言葉を喋りだすのが早い
胎内でコミュニケーションの練習を始めているので、必然的に言葉を発するのが早い傾向にあり、学習能力も高い。
⑤いつもニコニコと社交的である
③で取り上げたように、生まれるときの体験が恐怖の体験でなければ、新しい世界をおおらかに受け入れられるようになるので、誰にでも心を開くことが出来る。
胎内記憶
母親のお腹にいたときのことを覚えている子どもがいる。10年前には、ほとんどの人は信じることはなく「オカルト」の世界と思われていたが、最先端の研究からどうやら母親の胎内にいる時から、その時の記憶があるらしいことが分かってきた。最も早く詳細に調べられたのは聴覚で、お腹の中で聞いていた音は確実に覚えている、という証拠が人だけでなくチンパンジーの研究でも示されるようになってきた。
参考文献
「胎内記憶」七田眞、つなぶちようじ著
「誕生の記憶」片山陽子著 春秋社 1992年11月
「誕生を記憶する子どもたち」デーヴィット・チェンバレン著 片山陽子訳 春秋社 1991年3月
「胎教は学ぶ」W・フォン・ラフラー=エンゲル著 本名信行、加藤三保子訳 大修館書店 1993年11月