脳死2
出典: Jinkawiki
脳の機能が完全に失われ、回復不能と認められる状態で、新しい死の概念。脳死は伝統的な死の三徴候(心臓停止、呼吸停止、瞳孔拡大)中の瞳孔拡大に相当するが、人工呼吸器で心臓や肺は機能している段階。心臓、肝臓などの移植には脳死状態で摘出する新鮮な臓器が必要で、移植医療に大きく関わる。1985年、厚生(現・厚生労働)省研究班は、6歳以上については、(1)深い昏睡、(2)呼吸停止、(3)瞳孔拡大、(4)脳幹反射なし、(5)脳波が平坦、(6)以上が6時間継続、の条件が整えば脳死との診断基準を発表。首相の諮問機関「臨時脳死及び臓器移植調査会」(脳死臨調)も92年に脳死を死と認める答申をまとめた。97年6月、臓器提供意思のある場合に限り、脳死を死と認める臓器移植法が成立し、同年10月から施行された。6歳未満の乳幼児については、脳が大人より回復力があるため、欧米諸国では5項目は共通で、2回目の判定までの時間を延長する乳幼児基準を作っている。厚労省も新生児(生後28日まで)は48時間、乳児(1歳未満)は24時間、1年以上6歳未満は12時間同じ状態が続けば脳死とする方向で検討している。 ( 田辺功 朝日新聞記者 )