自給的農業

出典: Jinkawiki

自給的農業は農業人口率の高い発展途上国で行われ、人口希薄地では粗放的農業(熱帯の焼畑と乾燥帯・寒帯の遊牧)が、人口周密な亜細亜では集約的農業(アジア式稲作農業とアジア式畑作農業)とがある。


目次

焼畑農業

ハック(堀棒や鉄鍬)を使うので、「ハック耕」ともいう。山林・原野を焼いて畑を作り、そのとき得られる草木灰を肥料とする。数年使うと知力が衰えるので放置して移動する(移動農業)。熱帯雨林では、タロイモ・や無為も・キャッサバを栽培し堀棒を使う。サバナ地域ではミレット(夏作雑穀)を栽培し手鍬を使う。人口の増加や商品(換金)作物の栽培により原始的定着農業に移行していく。
≪分布≫ アジア、アフリカ、ラテンアメリカの熱帯・亜熱帯

遊牧とオアシス農業

遊牧

自然の草や水を求めて一定地域内を移動しながら家畜を飼育し、主に乳を利用。移動式テントはモンゴルではゲル(パオ)、中央アジアではユルトと言われる。
≪家畜≫  羊・ヤギのほか、馬(モンゴル)、ヤク(チベット)、ラクダ(西アジア・北アフリカ)、
          牛(中南アフリカ)、リャマ・アルパカ(アンデス)、トナカイ(北極海周辺)
≪分布≫  農耕が不可能な乾燥地域と、北極海周辺や高山の寒冷地域

オアシス農業

感慨によりナツメヤシ・小麦・綿花などを栽培する集約的な農業。イランでは「カナート」という地下水路が発達(北アフリカでは「フォガラ」、アフガニスタンでは「カレーズ」、中国では「カンアルチン」と呼ぶ)。
≪分布≫ 乾燥地域の遊水地や外来河川沿いのオアシス


アジアの伝統農業

家族労働を中心とした零細経営で、穀物栽培を中心とする。

アジア式稲作農業

傾斜地では棚田が見られる。連作が可能で、高温かつ灌漑設備の整った地域(華南など)では二期作も行われる。土地生産性は、灌漑設備が整い集約的な東アジアで高いのに対して、天水田が多く技術水準も低い東南アジア・南アジアでは低い。
≪分布≫ 夏の高温とモンスーン(季節風)による多雨(一般に年降水量1000mm以上)を利用して、
         水利条件の良い沖積平野。

アジア式畑作農業

小麦・ミレット(もろこし・あわ)などを栽培。
≪分布≫  稲作地域周辺の年降水量500~1000mm前後の地域。インドのデカン高原・
         パンシャブ地方・中国の華南・東北地方。

参考文献

印帝国書院 高等地図 初訂版

  人間科学大事典

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