自閉性障害

出典: Jinkawiki

目次

自閉性障害とは

1943年に米国の精神科医のL.Kannerが情緒的接触の自閉的障害として11症例を報告して以来、自閉症の概念、病因論には変遷がみられた。統合失調症の最も早期の発症と考えられた時期や両親の性格・養育態度に原因のある心因論が唱えられた時期もあったが、その後、言語および認知障害仮説が提唱され、現在では原因については何らかの脳器質障害に基づく発達障害と考えられている。 自閉性障害は他にカナー症候群、幼児自閉症、小児自閉症とか単に自閉症という言い方で表わされることもある。かつてこの障害を‘小児精神病’‘児童分裂病’などと表現したことがあったが、現在、自閉性障害は統合失調症とは違うと考えられている。ただし、自閉性障害の人で青年期になって統合失調症を発症する場合もある。

どんな病気か

脳の発達・成熟が障害されることにより、心を通わせることが不自由な、3歳までに発症する神経発達の病気である。子どもの0・1~0・2%にみられる。  自閉症の子は、あたかも自分の世界のなかで生きているかのようにみえ、他人に興味を示すことが少なく、社会性に乏しい傾向がある。また、日常生活の決まりにこだわり、奇妙な行動を繰り返す。コミュニケーションが苦手で、視線を合わすことを避け、他人に愛着を示さない。

検査と診断

 まず、言語や社会性の発達に遅れがあるかどうかを判断する。さらに、出生から現在までの医学的情報、診察所見、血液検査、頭部画像検査、心理発達検査などにより、自閉症かどうか、合併する身体の病気はないか、総合的に診断する。 治療の方法  自閉症の子どもの基本的な行動の特徴と苦手なところを理解し、年齢や発達水準に合わせた教育、訓練、指導が必要である。刺激の少ない、落ち着いた治療環境で、個別指導と集団指導を組み合わせて生活体験を広げていくようにする。  年齢が低い間は運動や社会性、言語の訓練、指導を行い、日常生活で自立でき、社会生活に適応できることを目指す。年長になるにつれ、心理面への対応を組み入れていく。  パニックと呼ばれる興奮状態に対して、薬物療法を行うこともある。

自閉性障害に気づいたらどうするか

 自閉症の子どもは、愛情を通わせたり示したりすることが苦手だが、彼らは他の子どもたちと同じように愛されることを求めている。早期から継続的に治療していくことにより、自閉症の子どもの発達を伸ばすことができる。小児科医、地域の保健機関、療育施設などに相談し、適切な診断と指導を受けることができる。


参考文献 「発達障害児の医療・療育・教育」 松本昭子 土橋圭子 編集 金芳堂

参考URL  http://health.goo.ne.jp/medical/search/10130300.html


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