菊と刀2
出典: Jinkawiki
1946年に刊行されたアメリカの人類学者ルース・ベネディクトの主著の一つ。日本語訳は1948年に刊行された。日本人論では初期のものである。
アメリカ政府に日本占領政策のための日本研究を委託されたルース・ベネディクトは、現地調査ができないという制約の下、在米日系人との面談や文学・映画の分析等により日本社会の文化を見出そうとした。
「恩」「義理」「恥」といった日本の表現を取り上げ、日本人の行動様式や思考を分析している。また日本文化は他者の評価を基準に自分を律する「恥の文化」で、内面にもつ善悪の基準をもつ西洋の「罪の文化」と対照的であるとした。
表題は、菊を愛でるこころを持ちつつも、一方で力を崇拝し武士に栄誉が与えられる、日本の社会の二面性をあらわすものである。礼儀正しい反面不遜、臆病であると共に勇敢といったことである。