蔑称
出典: Jinkawiki
蔑称(べっしょう)とは、相手、または相手の動作・状態をさげすんでいう呼び名のことであり、ここでは特に人種や民族に対する蔑称をまとめた。
<日本人に対する蔑称>
ジャップ
英語の "Japanese"の短縮形で、日本人に対する蔑称として用いられることが多い。そのため、日本の国名コードや言語コードは Japan の略称として JAP ではなく JPN とされている。元々は日系人に対する呼び名であって、蔑視語として使われることは少なかったが、第二次世界大戦時、米兵が日本軍や日本兵に対して憎しみを込めて「ジャップ」という呼称を頻繁に使用していたために、侮蔑語とみなされるようになったと言われている。
ニップ
ジャップと同様に、Nippon (日本)を短縮した日本人に対する蔑称。あまり蔑称だと日本では意識されていないが、蔑称として用いられる場合もある。
日本鬼子・小日本
主に中華系国家・地域(中国・台湾・シンガポール)で使われる日本人に対する蔑称。日本鬼子(リーベンクイズ)とは、魔物に対して使う蔑称「鬼子」と日本を合わせたものである。当初は中国を侵略する西洋人に対して「鬼子」と蔑称していたが、日清戦争が始まると「鬼子」はもっぱら中国を侵略する日本人を指す言葉となったために、 現在では日本人を軽蔑する言葉として使われる。また、「小日本」(シャオリーベン)も「小さい、少数、度量の狭い、ちっぽけ」という意味の「小」と「日本」をくっつけたもので、取るに足らない日本、度量の狭い日本、ケチな日本、小児的な日本という意味の蔑称として使われている。これも日中戦争が始まってから一気に広がった。今でも日本を侮辱する場合や反日感情が高まるときによく使われており、AFCアジアカップ2004で日本に敗れた事で中国人サポーターが「小日本 死ね!!」などと発言したり、反日デモでも「打倒!小日本」と書いた紙が映されたりしている。
チョッパリ・ウェノム
主に韓国や北朝鮮で使われる日本人に対する蔑称。チョンパリ(쪽발이)とは、本来「豚の足」を意味する言葉(チョッパル/족발)である。豚の蹄は先が二つに割れていることから、転じて下駄の鼻緒や足袋のつま先が分かれている様子になぞらえて、日本人を侮蔑する言葉となっている。また、ウェノム(왜놈)は、「ウェ」は日本の古名「倭」のことで、漢字で「倭奴」と書かれる。
<日本人が使う蔑称>
チョン
朝鮮や朝鮮人を侮蔑する言葉。「チョン公」とも。「朝鮮」(チョウセン、チョソン)という言葉の短縮形が語源とされている。チン、チャン、チョンは、中南米においても東洋人全般を蔑むときに用いられる。ちなみに、1980年代前半に使い捨てカメラのことを「バカチョンカメラ」呼んでいたが、このバカチョンカメラの「チョン」の部分が朝鮮人に対する蔑称の事を指しているという見方が広まり、使用が自粛されるようになった。しかし、「バカチョン」で使用されている「チョン」は、つまらない人・取るに足らない人のことを拍子木の音になぞらえた古くからある日本語であり、朝鮮人に対して蔑む意味はまったくなかった。
チャンコロ
中国人に対する蔑称で、日本が中国大陸に積極的に出兵する昭和初期から頻繁に使われるようになった。「チャン」は「中国の」という接頭語としても使われ、中国服のことを「チャン服」、中華料理のことを「チャン料」などと形容詞的に略して用いることもあった。
ポコペン
「取るに足らない」、「くだらない」、「だめだめ」、「だめ」などを指す日本語の俗語であるが、中国人に対する蔑称として使われた事もあるため、マスコミなどでは差別用語として言葉の使用を自主規制している。例えば、漫画『ケロロ軍曹』では、ポコペンを「地球」の意味で使っていたが、同作品のアニメ化に際してはペコポンに変更された。
他には、欧米人に対する蔑称として「毛唐」(本来は、「うすらばかな人」の意味であった)、ロシア人に対するロスケ(“露助”より。露助は「ロシア人」を意味する「ルースキー」の音訳で当初は蔑称ではなかった)、黒人に対しての「くろんぼ」、アメリカ人、イタリア人に対する「アメ公」「イタ公」、フランスに対する「おフランス野郎」など。
<アメリカで使われている蔑称>
サンボ・ニガー
主にアメリカにすむ黒人に対する侮蔑語。ニガーは、ラテン語のNegro(ネグロ:黒色のこと。長じて黒人を意味する)を語源としている。
ユーロトラッシュ
北米におけるヨーロッパ人を指す蔑称。アメリカ合衆国における英語、つまり米語のスラングの一つで、ヨーロッパの人間、またはヨーロッパからの移民を指す。ヨーロッパの特定の国家または地域の出身者に対して用いられるものではなく、東西ヨーロッパも中央ヨーロッパも全て含めた広義の「ヨーロッパ」の出身者全般に対して用いられるものとなっている。
チンク・クーリー
中国人を意味する侮蔑語。チーノは、ラテン系言語で中国人を意味する一般語彙であるが、中南米では中国人の蔑称として使用されている。また、時として東洋人全般を蔑むのにも使用される。クーリーは、 19世紀から20世紀初頭にかけての、中国人・インド人を中心とするアジア系外国人・移民の、手に職を持たない単純労働者を意味していた「苦力」からきている。
グック
韓国人・朝鮮人を蔑むときに用いられる呼称。「大韓民国」の韓国・朝鮮語読みである「テハンミングク」が「テハンミングック」と聞こえることが語源とされる。広くは韓国朝鮮人だけでなく東洋人全般への蔑称としても使われることもある。
他にも、イギリス人に対しては「ジョンブル」「ライミー」、ドイツ人に対しては「クラウツ」、アイルランド人に対しては「人参頭」がある。
これらの語は、差別用語であり、公共の場ではもちろんのこと、日常会話での発言も非常に忌み嫌われる。