言語聴覚士
出典: Jinkawiki
言語聴覚士(ST)
専門性
言語聴覚士(speechtherapist)とは、言葉によるコミュニケーションに問題をも つ小児から高齢者まで幅広い年齢の人たちに専門的サービスを提供し支援する専 門職を称する。 1997年12月言語聴覚士法の確立により1998年より国家試験が実施されている。国 家資格の名称が「言語聴覚士」となり、2005年までに8700名ほどの有資格者がい る。
ことばによるコミュニケーションには「言語」 「聴覚」 「発声」 「発音」
「認知」などの各機能が関係している。 このような機能が病気や交通事故 発達 上の問題などにゆり損なわれることがある。
ことばによるコミュニケーションの問題は、対象も障害も多岐にわたる。言語聴 覚士(ST)は、このような問題の本質や発現メカニズムを明らかにし、対処法を 見出すために検査・評価を実施し、必要に応じて「訓練」・「指導」・「助言」 その他の援助を行う。このような活動は医療・福祉・教育・助言その他の援助を 行います。医療分野では、医師 歯科医師 看護師 理学療法士(PT)作業療法士( OT)などの医療専門職と福祉分野では、ケースワーカー(CW) 介護福祉士 心理 職 保健師 保育士と教育分野では、教師 心理職 などと連携し、チームの一員と して行うことがほとんどである。STは、医療機関 保健 福祉機関 教育機関など 幅広い領域で活動し、コミュニケーションの面から豊かな生活が送れるようにこ とばや聴こえに問題をもつ本人とともに家族を支援している。
子ども対象の言語聴覚士とは、
子ども対象のSTの勤務場所をライフステージに沿って挙げてゆく。出生後すぐにわかる聴覚障害乳幼児を扱う医療機関、口腔器官に奇形があり摂食に障害がある疾患を扱う医療機関に言語聴覚士はいる。乳幼児では、医療機関に加えて乳幼児健診に医師・保健師・心理職とともにことばの問題に関わる言語聴覚士がいる。また障害の早期発見・早期療育により地域リハビリテーションを行う療育の場言語聴覚士はいる。この時期の子ども達には、「ことばの発達」に心配をもち始めた母親の相談や、脳性マヒ・知的障害・広汎性発達障害などにより「ことばの遅れ」をもつ子どもの「言語指導」に関わりを持つ。 また、学齢期には、上記の医療機関に・保健、福祉関係機関に加えて教育機関に子どものことばの指導にあたる教師がいる。特別支援学校・学級などでは「きこえ・ことば」の教室がある。難聴や、機能性構音障害、コミュニケーション障害、学習障害などの子どもたちの指導を行っている。が、現状として一人ひとりの子どものことばの発達に合う医療・相談・療育・教育を一貫して全国どこに行っても受けられる状態には、程遠いのが現状である。
言語聴覚士の支援内容
言語聴覚士は、ことばの検査・言語発達の評価にもとづいて指導・訓練などを支援を行っている。発達障害の子どものことばの検査・評価をするにあたり重要な点がある。 (1) 子どものことばの問題・発達の問題を考える前提として、聴力、視力のチェックは不可欠である。特にことばを覚える上で「聴こえ」の問題は入口として大きな影響力がある。 (2) 子どものことばは全体の発達と切り離して考えることができない。とくにことばの獲得の途上である乳幼児については、運動の発達・社会性などを含めた全般的な発達検査からの情報も必要とする。 (3) 子どものことばは、環境とも切り離すことができず、母親を含めた家族の関わりや集団場面での社会性の発達も把握することが必要である。
以上のことから、子ども対象の言語聴覚士は、それぞれの子どもの抱える言葉の問題をその子どもの全体のなかで」捉え、ことばが育つように支援してゆくことが大切である。
[参考文献] 1.「発達障害の心理臨床」子どもと家族を支える療育支援と心理臨床的援助 田中 千穂子・栗原はるみ・市川奈緒子[編] 有斐閣アルマ 2.「発達障害の子ども達」 杉山 登志郎 著
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