貧困3

出典: Jinkawiki

目次

貧困とは

貧困とは、教育、仕事、食料、保健医療、飲料水、住居、エネルギーなど最も基本的な物・サービスを手に入れられない状態のことです。極度の、あるいは絶対的な貧困とは、生きていくうえで最低限必要な食料さえ確保できず、尊厳ある社会生活を営むことが困難な状態を指します。

貧困には「相対的貧困」と「絶対的貧困」の二種類があります。

「絶対的貧困」とは、必要最低限の生活水準を維持するための食糧・生活必需品を購入できる所得・消費水準に達していない絶対貧困者が、その国や地域の全人口に占める割合。世界銀行では1日の所得が1.25米ドルを貧困ラインとしている。絶対的貧困の基準は国や機関、時代によって異なる。つまり地球で生きるにあたって、最低限必要と考えられている食料・生活必需品を購入するためのお金がない状況が「絶対的貧困」です。主に途上国で起きている問題といえます。

「相対的貧困」とは、OECDでは、等価可処分所得(世帯の可処分所得を世帯人数の平方根で割って算出)が全人口の中央値の半分未満の世帯員を相対的貧困者としている。相対的貧困率は、単純な購買力よりも国内の所得格差に注目する指標であるため、日本など比較的豊かな先進国でも高い割合が示される。OECD加盟国の相対的貧困率のグラフを見ると、日本が先進国のなかでも「相対的貧困率」が高い国であることがわかります。


貧困の現状

途上国に住む人々の4分の1以上が生計手段を持てない状態に置かれています。

・全世界で5人に1人、つまり12億人もの男性・女性・子どもが現在、極度の貧困状態におかれ、1日1ドル未満で生活することを余儀なくされています。また、世界では約半数の人々が1日2ドルという貧困レベル以下で生活しています。

・約8億2,400万人が飢餓状態にあるか、もしくは不安定な食料供給に依存しています。そのうち5億人は、慢性的な栄養失調に苦しんでいます。

・全世界には、栄養失調に苦しむ子どもが1億7,000万人、学校教育を全く受けることができない子どもが1億人以上、中等教育を受けられない子どもが2億3,000万人います。そして約2億5,000万人の子どもが、自分が生きていくために、そして家族の最低限の生活を支えるために働いています。

・先進国には、500万人以上のホームレス、3,700万人の失業者が存在します。そして所得貧困ライン以下の生活を強いられている人々は1億人以上にのぼります。

・世界で16億人が飲料用の水を利用できずにいます。

・読み書きができない成人の数は世界で8億4,000万以上にも達しますが、そのうち65%は女性です。

・8億人は保健医療サービスを利用できません。

・世界に49ヵ国ある最貧国のうち33ヵ国が集中しているアフリカでは、2,810万人がHIV/エイズに感染しています。今後10年間に、アフリカでは4,000万人の子どもがエイズで親を失うと見られます。

・先進国には人口350人につき1人の割合で医師がいます。しかし、途上国には人口6,000人当たり1人の医師しかいません。

・全世界の消費支出の86%は先進国に住む20%の人々によって消費されています。これに対し、世界で最も貧しい20%の人々は、全体のわずか1.3%しか消費していません。


しかし、世界は次の世代までに貧困を撲滅できるだけの資源と技術を持っています...

・世界の資産家上位10人の富を合計すると60億ドルに達します。これは後発開発途上国全体の国民所得をすべて合計した額の2倍以上に相当します。

・全世界の所得のわずか1%で貧困の撲滅が可能です。すべての人々が基本的な社会サービス(基礎教育、保健医療、栄養、飲料水、下水設備)を享受できるようにするためには、全世界の年間所得のうち 0.5%程度を毎年投じれば十分なのです。

・最も貧しい20ヵ国の状況を改善させるには、ユーロディズニーの建設費に相当する5億ドルを投じれば十分なのです。

・重債務国の債務削減には、それぞれ5億ドルから75億ドルが必要ですが、これはステルス爆撃機1機の建造費にも満たない金額です。


極度の貧困は2015年までに根絶できると言われていた

・過去50年で、貧困状態にある人々が人口に占める割合は、それまでの500年間とは比べものにならないほど急速に低下しました。

・1970年にはわずか48%だった途上国の成人識字率は、1998年には72%まで上昇しました。所得面から見た貧困層は29%から24%に低減し、40歳未満の死亡率は20%からわずか14%まで低下しました。

・飲料水を利用できる人口の割合は過去30年間で36%から70%近くへとほぼ倍増しました。

・過去20年にわたり毎年行われた予防接種キャンペーンにより、約300万人の子どもの命が救われました。

・1960年以来、途上国の乳児死亡率は半分以下に減少し、栄養不良児童の割合は30%以上低下しました。

・1960年から1993年の間、途上国の平均寿命は30%以上もの伸びを記録しました。現在では平均寿命が70歳を超える国は30を数えるまでになりました。


貧困はもはや避けられないことではありません。奴隷制度、植民地主義、そして核戦争と同様に、今こそ貧困を過去の歴史へと葬り去らなければなりません。

貧困問題の解決方法

貧困問題を解決するために、私たちにできることはたくさんあります。一人でできること、仲間とできること、直接行うこと、間接的に行うこと、さまざまです。

しかし、貧困問題の解決で一番大事な事は「私たち先進国の人間が何とかする」ではなくで、当事国の人達が「何とかしなくては」という意識・認識が非常に大事だと考えられます。

私たちに何が出来るのかということですが、上記のことからも、「意識付け」つまり教育が最重要だと考えられます。 つまり「米百表」の精神だと思います。

日本もかつて(昭和初期まで)は貧乏でした。「娘の身売り」なんてのもあたりまえの時代がありました。

ただ、そこにはその国の重要なポストを占める人達が、日本を何とかしなければと真剣に考えていました。 国策も手伝って、半ば強引に今日の日本の繁栄を築いたのです。

また、日本では子どもの貧困率の高さが国際的に指摘される中、2013年6月19日に「子どもの貧困対策法」が成立しました。 「子どもの貧困対策法」には、子どもの貧困対策を総合的に推進するため「大綱」を政府が作成し、子どもの貧困率の改善を図る対策を打ち出すことのほか、国と地方自治体が貧困家庭の就学や学資の援助、学習支援といった教育支援に取り組む、各都道府県は子どもの貧困対策についての計画を策定する、「子どもの貧困対策会議」を設置する、などが打ち出されています。


参考文献

http://www.undp.or.jp/arborescence/tfop/top.html

http://oshiete.goo.ne.jp/qa/193001.html


mokichi


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