農家

出典: Jinkawiki

 農家になるための資格は必要ない。地域の農地を管理する農業委員会が求める要件を満たせば農家として認められる。この要件は地域によって違いがあるが、一般に50a以上の農地を所有、または借りていて年間100日以上を農業に従事するなどの条件がある。農家になるための研修なども地域で行っている。農林水産省が支援している就農準備校は、農業に援助を感じている人や、将来農業をしてみたい人に対して、農業の基本的な技術や知識を教え、順調に準備に備えられるようにということを目的としている。この準備校には、土・日曜日を利用したコース、夜間コース、合宿コースなどさまざまなコースが用意され、現在他の仕事に就いている人も参加できるよう用意されている。

【認定就農者】

 先に農家になるための資格はないと述べたが、就農支援資金の借入れを受けるために必要な「認定就農者」という資格はある。この資格を取得すると農地の購入・賃貸もしやすくなる。認定就農者になるためには、就農5年後を目標とした「就農計画」を作成し、市町村に提出、都道府県知事の認可を受ける必要がある。

【認定就農者の条件】

①将来、自ら農業経営を行うことが確実に見込まれていること。

②年齢(青年→18歳以上40歳未満の者。中高年→40歳以上65未満の者で、近代的農業経営の確立を図るための知識、技術を有する者。)

③就農前に1年以上の実務研修を予定しているか、または、過去に実施したことがあること。

④就農計画において、年間農業従事日数が150日以上であることが見込まれること。 以上のような項目を満たし、認められると就農支援基金、農業改良センター、市町村、農協からの指導、援助が受けられるといったサービスが受けられる。


【今後の課題】

 戦後の食糧難では政府は高い価格で主要農産物を買い上げて支援してきた。大多数の農家が米を作っており、高い価格で買い上げていたので米の生産量は伸びた。しかし、1960年代後半には生産過剰が明確となり、1970年からは減反政策が導入され1987年からは政府の買い取り価格が下げられた。野菜も露地野菜(白菜、キャベツ、大根など)の価格は1998年以降大幅に低下している。これらの影響から農家の所得の低下が指摘される。  また、高齢化・後継者の問題が挙げられる。30代以下の農業経営者は2.1%であるのに対し65歳以上が44%もの割合を占め、全体の平均年齢は61.6歳となっている(2003年現在)。高齢化により農業ができなくなっても、後継者がいない場合には農地を手放すことになる。売却も賃貸もできない場合「耕作放棄」になる。全国の耕作放置の面積は1990年から増えはじめ、1985年には9.7万haだったものが2000年には21万haと2倍以上増えている。コスト面では米生産量をアメリカと比較すると日本の方が10倍を超える。これはアメリカの農家1戸当たりの水田経営面積は日本の100倍にも達しているという面積の違いが挙げられる。農林水産省でも規模拡大をはかるための施策を押しすすめている。


引用・参考文献

就農準備副読本1 Q&A農業一般 全国農村青少年教育振興会 農村漁村文化協会

図解雑学 農業  西尾道徳・西尾敏彦 ナツメ社


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