酸性雨7
出典: Jinkawiki
酸性雨
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酸性雨
酸性雨とは、二酸化硫黄(SO₂)や窒素酸化物(NOx)などを起源とする酸性物質が雨・雪・霧などに溶け込み、通常より強い酸性を示す現象である。酸性雨は、河川や湖沼、土壌を酸性化して生態系に悪影響を与えるほか、コンクリートを溶かしたり、金属に錆を発生させたりして建造物や文化財に被害を与える。 気象庁では雨などに溶け込み地表に降ってきたものを「湿性降下物」、雨以外の乾いた粒子等の形で降ってきたものを「乾性降下物」として化学成分の測定を行い、両者を併せて「降水・降下じんの化学成分」と呼ぶ。現在では、「酸性雨」は湿性降下物及び乾性降下物を併せたものとしてとらえられることが多く、「酸性降下物」という用語も使われる。
酸性雨の指標
物質の酸性、アルカリ性の度合いの指標として一般に水素イオン濃度指数(pH、ピ-エイチまたはペーハー)が用いられており、酸性度が強いほどpHは低くなる。純水(中性)のpHは7だが、降水には大気中の二酸化炭素が溶け込むため、人為起源の大気汚染物質がなかったとしてもpHは7よりも低くなる。大気中の二酸化炭素が十分溶け込んだ場合のpHが5.6であるため、pH5.6が酸性雨の一つの目安となる。しかし、火山やアルカリ土壌など周囲の状況によって本来の降水のpHは変わる。
酸性雨の影響
湖沼などへの影響
湖や沼に酸性雨が降ることで、そこに生息する生物が、減少、死滅する。「死の湖」とも呼ばれ、生物が生息できない湖も多い。
森林への影響
森林に酸性雨が降ることで、森林が枯れ、土壌も汚染され、砂漠化する。そこに生息する生物もまた、減少し、死滅する。「黒い森」とも呼ばれ、立ち枯れの状態も見られる。
土壌への影響
土壌に酸性雨が降ることで、土壌が酸性化。栄養分が酸と反応して流出。栄養不足の土壌になり、成長が止まったり、収穫物が減少する被害がでる。
地下水への影響
地下水に酸性雨が流れることによって、普段飲んでいる水が汚染される。さらに、その汚染された水を飲むことによって、さまざまな病気を起こす。
赤潮への影響
海へ酸性雨が降ることで、大量の有害プランクトンが発生し、ほかの生物が減少、死滅する。さらに、人間が食べる魚なども汚染され、それを食べることによって様々な病気を引き起こす。
水生生物への影響
海や川・湖沼などに、酸性雨が降ることで、水生生物は生息できない状態になり、産卵できない状態になる。ほかにも、異常な遺伝子ができてしまい、雌雄同体などの異常生物が増加する。
歴史的建造物への影響
酸性雨は、コンリートや大理石の床、さらに歴史的建造物などの彫刻や銅の屋根を溶かしてしまい、銅像には錆を発生させる。
人体への影響
髪の色が緑になる。目や喉、鼻や皮膚を刺激する。金属は酸に溶けやすいので、土壌に固定などで使われているアルミニウムなどを酸性雨が溶かす。溶けだした物質が、河川多海などに溶けだすことによって、飲料水などに混ざり、アルミニウムなどの化学物質が、人体に蓄積することにより、アルツハイマー病などの病気の原因の一つになる。
参考資料
気象庁|酸性雨に関する基礎的な知識 [1] 【地球温暖化】酸性雨 [2]
HN.Match