野口英世の研究と業績

出典: Jinkawiki

野口英世(のぐちひでよ、1876年11月9日‐1928年5月21日)は、日本の細菌学者。


医者への道のり

英世は幼少のころの左手の火傷の手術がきっかけで、医師になる決意を固めた。高等小学校を卒業した後、左手の手術を受けた会津若松の会陽医院に薬局生として入門した。博士は会陽医院で医学のほか、英語・ドイツ語・フランス語の勉強をしたが、並外れた集中力を発揮し、1つの言語の原書を3ヶ月で読めるようになったという。  そのような才能と努力から、英世は医術開業試験を1回の受験で合格している。



研究内容

英世の研究は、徹底的な実験による実践派であった。気の遠くなるような実験パターンをすべて実行してデータ収集を行った。アメリカでは、実験マシーンなどと揶揄され、日本人は睡眠をとらないなどと誤解されたりもした。


(1)脊髄癆や進行性麻痺が起こる梅毒末期患者の大脳に、梅毒病原体Treponema pallidumを発見(1913年)


(2)梅毒スピロヘータの純粋培養に成功(但し、梅毒スピロヘータの培地による純粋培養は追試に成功したものはいない。)(1911年)

英世がもっとも熱心に取り組み、成果をあげた分野が、梅毒の研究である。 梅毒はスピロヘータ・パリダという、らせん形の微生物が病因で、肉体の接触によって感染する性病の一つ。病原体はすでに発見され、有効治療薬サルバルサンも開発されていた。梅毒が進行すると脳や神経の組織が壊され、精神障害が起こる。この病状を「麻痺性痴呆(ちほう)」「脊ずい癆(ろう)」とよんだが、これが梅毒の一種であることは当時まだ知られていなかった。英世は患者の組織を顕微鏡で丹念に調べ、梅毒スピロヘータを発見して病因をつきとめた。


(3)オロヤ熱とペルー疣が同じバルトネラ症であることを発見(同一病原体Bartonella bacilliformisが赤血球に侵入する事実を確証)(1926年)


(4)黄熱病患者の血液より、レプトスピラ(Leptospira icteroides)の分離に成功(但し、黄熱病病原体と特定したレプトスピラは、今日ではワイル氏病スピロヘータの病原体と同一であることが示唆されている。野口英世の名前は、スピロヘータの分類学上、2項レプトスピラ・ノグチとして残っている。)(1919年) 熱帯に多い死亡率の高い感染症の原因についての研究のために、英世は南米に赴いた。その研究の結果として、梅毒と類似のスピロヘータの一種が原因だと発表する。ところがこれは黄熱病と似た病状をあらわすワイル氏病の病原体を、黄熱病ととりちがえた結果と現在ではみなされている。  以上の学業的業績により、英世はノーベル生理・医学賞の候補に3回指名を受けていた。



捏造説

 医学にかけるその情熱とは裏腹に、データ捏造や、実験段階での類推を断定的に書いている可能性が高いなど疑われているものも多く、医学的業績を評価しない専門家も多い。


(1)大正2年(1913)、梅毒スピロヘータの脳内発見 現在これは英世の業績のうち、最高の賞賛を得ている。それまで別の原因によると思いこまれていた肉体の疾患と精神の障害が、実は同じ原因にもとづくことを明らかにした点で、精神病理学界からとくに高く評価されている。  病原体を本格的に調べるには、他生物からそれだけを分離して飼育する純粋培養という方法が不可欠だ。しかし梅毒スピロヘータの純粋培養は至難でだれにもできなかった。英世は苦心の末これに成功したと発表し、当時はこのほうが大変な注目をあびた。ところが、今ではこれを疑問視する声も多い。


(2)黄熱病患者の研究  英世の研究のうち一般にもっとも知られている。この熱帯に多い死亡率の高い感染症については、すでにいく人もの研究者が取り組み、当時の顕微鏡で見えない極小の病原体(のちにウイルスとよばれるもの)であることが有力視され、事実これが真相だった。英世がエクアドルで発見した黄熱病の病原菌だと思っていたものは、現在では黄熱病と似たような症状をおこすワイル氏病(出血性黄疸)の病原菌だと言われている。 また英世が、黄熱病研究のためアフリカ・ガーナに渡った1927年には、黄熱病の病原体は細菌ではなく、もっと微少なウィルスであるという説もすでにあり、ウィルス説のもと病原菌を確定させた研究もあった。しかし英世がガーナに渡った時には、黄熱病=ウィルス説の研究者、また英世のように黄熱病=細菌説の研究者、がまだ両者いるような状態であった。 黄熱病の研究は英世の死後すすみ、1930年代に黄熱病のワクチンが完成する。その正体が人の目で確認されたのは、電子顕微鏡の開発が進んだ1950年代のことであった。


その時歴史が動いた~未公開書簡が明かす野口英世の真実~

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