金正日
出典: Jinkawiki
金 正日(キム・ジョンイル、1942年2月16日 - )は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の政治家。朝鮮労働党総書記、朝鮮民主主義人民共和国国防委員会委員長、朝鮮人民軍最高司令官。国家主席金日成の嫡男であり、金日成が死去して以降、北朝鮮の最高指導者でありつづけている。
称号は朝鮮民主主義人民共和国共和国英雄(三回受称しており「三重英雄」と称される)
国営の朝鮮中央放送で使われる金正日の呼び名は100以上あると言われ、北朝鮮国内のメディアでは、「百戦百勝の鋼鉄の霊将」などと賛美されるが、実際には実戦で指揮を執った経験はない[要出典]。この称号は金日成を賛美する決まり文句が儀礼化したまま流用されたものと言われている。国民からは「将軍様」と呼ばれ[12]、国内のあらゆる所にその肖像画が掛けられている。代表的な呼び名として「親愛なる指導者、金正日同志」があるが、二言目からは「金正日同志」「金正日総書記」と略される。また、朝鮮人民軍内部では「最高司令官同志」ともよばれる。その他、かつて使用されたものに「党中央」がある。党中央の語は一般的に党中央委員会のことと解釈される語であったため、党中央の語が金正日個人を指すと判明するまでに長い時間がかかった。また、北朝鮮の公式文献においても党中央の語が機関を指す語から次第に個人を指す語としての様相をみせるまで長い時間がかかっている。
現在の肩書は、国家においては共和国国防委員会委員長、共和国元帥、朝鮮人民軍最高司令官、最高人民会議代議員、党においては朝鮮労働党総書記、朝鮮労働党政治局常務委員、朝鮮労働党中央軍事委員、朝鮮労働党中央委員、朝鮮労働党政治局員であり、権力を一手に集めている。 呼称については国家における最も重要な役職である国防委員長(もしくは委員長)とするのが正式だが、日本のマスメディアだけ総書記としている。
スラックスとジャンパーを愛用している。シークレットブーツを履くという説もある。外国の元首と会談する際は中華人民共和国の人民服に似た服を着用することもある。肖像画には軍服を着用している姿もあるが、実際に軍服姿で公の場に出たことはないようである。金日成はスーツを着用することが多かったが、金正日がスーツを着用することはまずない。
テロを恐れているためか、父・金日成と同様、飛行機嫌いであり、鉄道で繋がっている中華人民共和国やロシアなどの外国を訪問する時は専用の装甲列車[13]を使う(1965年、父金日成に随行したインドネシア訪問時では飛行機の利用が確認されている)。
朝鮮総連のウェブサイトには「名言録」や「逸話集」などを掲載した金正日総書記特集があり、そのなかでは金正日を偉人と呼んでいる。
統一教会(世界基督教統一神霊協会)の文鮮明と関係があるとされる。1992年に統一教会教祖の文鮮明と会談し、35億ドル(約4400億円)もの援助を約束され、経済協力の関係を築いた。1994年7月に父金日成が死去した直後には、文鮮明の側近の朴普煕と会談した。統一教会の幹部、朴相権が社長を務める韓国の「平和自動車」との合弁会社「平和自動車総会社」を設立して自国の南浦(ナンポ)工業団地で自動車生産を行なったり、国営の「普通江ホテル」の経営を統一教会関係者に行なわせている。2002年には、文鮮明の80歳を祝って、韓国の要人に対しては極めて異例と言える祝賀メッセージとプレゼントを送った。このような北朝鮮とのパイプを作った統一教会は系列の「ワシントンタイムズ」社の朱東文(チュ・ドン厶ン)社長が2006年に訪米した山崎拓と面会し、翌2007年1月10日の山崎の訪朝のルートを用意したとも言われている。しかし、近年、北朝鮮当局は統一教会の幹部をスパイ容疑で逮捕してからは監視対象にしていると言われる。
元専属料理人の藤本健二や脱北者から伝わってくる贅沢な生活ぶりと体型の変化から、生活習慣病説や健康悪化説がメディアで流れることがある。実際、ドイツの医療チームに心臓の手術を受けたという情報や、心臓の他、糖尿病、肝臓病、糖尿合併症による腎臓病も患っており、短い時間でも立つのが困難という。
また、2008年9月9日に行われた建国60周年記念の軍事パレードに出席しなかったこと、当初建国以来最大規模とも伝えられていた軍事パレードが、労農赤衛隊などの民兵のみのパレードにとどまったことから、にわかに重病説が囁かれている。8月に脳卒中で倒れ、半身不随になったという報道もある。2008年9月現在、代行と言う形で権力を握っているのは義弟の張成沢であるが、後継者は誰になるのか(3代にわたる世襲か、軍部による集団指導体制か、あるいは朝鮮労働党の実力者が権力を握るのか)という問題がある。重病説を受けて、米韓では金正日体制崩壊後の軍事対応策である「概念計画5029」の作戦計画への格上げが検討され、また、米中間では非公式に金正日体制崩壊後についての協議が行われている。ある報道によると、金正日は脳卒中で倒れた後、2008年9月現在も四肢に障害が残っている状態であり、回復には相当な期間の静養とリハビリが必要とのことである。
参考:
金正日~誕生秘話~
北朝鮮の裏事情