開発教育

出典: Jinkawiki

目次

開発教育とは

「開発」や「教育」は、「能力開発」や「生涯教育」のように、個人などの能力を引き出す活動を意味する。また、「土地開発」「経済開発」のように、商売や経済に結びついて使われる場合もある。「開発教育」という言葉は、英国など欧州で使われている「Development Education」という英語を日本語に直訳したもの。 「開発教育」は、今日では、開発問題などの理解とその解決をめざす教育活動という。つまり、開発教育の「開発」は元来、開発途上国における経済開発と結びついていた。開発教育は、1960年代に南北問題に対する関心が高まる中、途上国での開発協力活動にかかわっていた欧米のNGOなどによって始められた。そして、1970年代以降、欧米各国では政府や国際機関が開発教育を支援するようになり、学校教育の中へと広がってきた。

開発教育の狙い

開発途上国などを理解し、開発問題やその解決について主体的に考える能力を養うことをねらいとしている。このような教育活動は、個人・グループとして国際社会を理解する力をつけるとともに、社会の問題を発見し、その解決のために協力するという能力を養うことにつながっていく。また、世界の人々が協力し、いわゆる地球規模の問題構造を克服する、様々なレベルでの努力と制度的な変革も必要である。開発教育は、そうした努力を促進するために、私たち一人ひとりが積極的に考え行動を起こしていけるようになることをめざしている。

発展

1990年代に入り、環境問題は個々の国を超えて地球的な規模で発生していることから、その解決にあたってはグローバルな取り組みが必要だということが明白になった。人口や食糧、環境も、開発も、難民や紛争、平和の問題も、みなお互いにつながりあっていることから、地球上の人々の相互依存関係が認識された。こうした中で、身近なところからの問題解決や生活の見直し、学習者自身の主体性といったことが教育の中で重視されるようになった。こうした変化が最近の世界的な傾向といえる。

効果

開発途上国での援助については、個人に対する技術訓練だけでなく、むしろ、組織も含めた問題解決能力の開発が重要であるとの認識が高まってきている。開発途上国において、例えば村の人たちが本当に必要なものを選別できるように、様々な方法で訓練を行い、援助の成果が持続するような工夫も行われている。実際の開発援助の過程で得られた手法や、開発教育の実践活動の中で生まれた学習方法などを取り入れて、参加者が主体的に考え、協力して問題の解決について考える能力を養うことが開発教育の目的である。この目的を達成することで開発教育を実践し、自分たちが関係する社会の問題点について自ら考えるとともに、他の人と協力して問題解決の実現を図るという姿勢と能力が形成されていきます。

参考文献

開発教育・国際理解教育ハンドブック(2001)財団法人 国際協力推進協会


  人間科学大事典

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