集団安全保障2

出典: Jinkawiki

目次

集団安全保障方式とは

集団安全保障方式とは国際的で平和的な秩序を作るための一つの手法である。具体的には複数の国家が、武力行使の規制(不侵略)に関するルールに合意し、違反国に対して集団で対処するということである。この方式が生まれた背景には勢力均衡方式という各国または各国の所属する集団の軍事的バランスなどのパワー分布が均衡状態になることによる国際秩序の維持方法が崩れ第一次世界大戦を防げなかったことである。

国際連盟での欠点

この集団安全保障体制が初めて導入されたのが国際連盟である。しかし国際連盟での集団安全保障体制にはいくつかの欠点があり、勢力均衡方式と同様に第二次世界大戦を防ぐことができなかった。その欠点とは国際的、政治的な出来事をきっかけに浮彫になってきた。イタリアのエチオピア侵略の際、浮き彫りになった欠点は全会一致制である。加盟国すべての賛成が得られなければ侵略国であるイタリアに制裁を与えることができなかった。また時間がかかった末与えることのできた制裁は経済的なもののみであり、イタリアの軍事力を衰退させるには至らなかった。 次に問題となったのはこの体制を作り当時最もパワーを持っていた大国アメリカが国際的な問題にはかかわらず自国の平常を保ちたいという政府の方針で参加しなかったことである。このことにより集団安全保障の実行力がかなり弱られた。最後の大きな欠点は軍事的な措置ができなかったことである。当時、軍事的措置は提案に過ぎず、現実的な想定はされていなかったため強制力がかなり弱かったといえる。

国際連合での改善点

第二次世界大戦の反省からまず組織自体の改善を行い国際連盟より強力な国際連合という組織を結成した。そこでは様々な問題の生まれた安全保障体制を改善し採用することとなった。まず国際連合の中に国際的な機関である安全保障理事会という実行力のある期間を作り各国が国際的な戦争や侵略が起こった際など迅速に決定ができるようなシステムを作った。そのシステムの中には国際連盟での問題であった全会一致制を廃止し、多数決の原則を採用した。(ただし五大大国にはその決定を拒否する拒否権がある)もちろんその場にはアメリカを含むすべての大国の参加もある。さらに軍事的制裁を具体化するため、何かあった時のために兵力を準備することを可能にする規定が設けられた。まだ国連軍は結成されたことはない。このようにあらゆる期間の権限が強化され強制力をもったのが国際連合の安全保障体制の特徴である

参考資料

「集団的自衛権と安全保障」豊下樽彦 古閑彰一 著

「高校生にも読んでほしい安全保障の授業」 佐藤正久 著


ハンドルネーム マル


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