雇用許可制度
出典: Jinkawiki
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成立の背景
韓国では、90年代前後、日本の技能実習制度に似た「研修生」制度というものがあり、多くの研修生が実際には労働者として働いていたが、労働関連法の保護を受けられず、賃金不払いなどが深刻となり、逃亡者が相次ぎ不法滞在者の増加が社会問題となった。この対策を迫られた韓国政府が2004年8月に導入したのが雇用許可制度である。
概要
雇用許可制度では、3年間を期限に外国人単純労働者を受け入れる。期限切れ後も一定期間出国すれば再入国は可能であり、企業は韓国人に求人を出しても採用できない場合に限り、外国人労働者の求人を申請できる。送り出し国と協定を結び、政府が毎年の受け入れ枠を決定する。
実態
韓国政府によると2008年5月までに、雇用許可制度を通じて製造業や建設業、サービス業などで働くために入国した労働者は中国の朝鮮族などを含め、累計でおよそ39万人。大半が従業員30人以下の企業で働いている。その一方で、従来の研修生制度は2007年までに廃止された。雇用許可制度で、外国人労働者は最低賃金の適用など韓国人と同様の権利が法的に認められた。政府管理の下でブローカーの関与や労働者の経済的不安も減ったとされており、職場からの逃亡率も3%程度と研修生時代の10分の1以下に激減した、との調査もあるようだ。雇用許可制の導入をきっかけに、外国人受け入れに対する議論も活発になりはじめ、2007年には外国人との共生や人権向上をうたう外国人処遇基本法も施行された。 しかし、制度への不満も多く、労働者の意志による職場の移動が原則として認められていないなど「あまりにも企業に都合がよすぎる制度」といった批判も出ている。また、外国人政策の一環で資格や賃金水準など厳しい条件付きながら、滞在5年以上の労働者に永住の道を開いているものの、雇用許可制の下、低賃金の単純労働に従事する労働者にとっては永住の可能性は極めて低く、あくまで期間限定の労働力として活用するのが制度の軸だという指摘もある。
参考資料
厚生労働省HP(https://www.mhlw.go.jp/index.html)
東洋経済オンライン(https://toyokeizai.net/)
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