難民18
出典: Jinkawiki
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概要
難民とは1951年の「難民の地位に関する条約」で「人種、宗教、国籍、政治的意見やまたは特定の社会集団に属するなどの理由で、自国にいると迫害を受けるかあるいは迫害を受ける恐れがあるために他国に逃れた」人々と定義されている。今日では、難民とは政治的な迫害のほか、武力紛争や人権侵害などを逃れるために国境を越えて他国に庇護を求めた人々を指すようになっている。また紛争などによってすんでいた家を追われたが、国内にとどまっているかあるいは国境を越えずに避難生活を送っている「国内避難民」も近年増えてきている。このような人々も難民と同じように外部からの援助がなければ生活ができず、援助が実施できなかった場合、これらの人々は国境を越えて難民となり、受け入れ国の政府や国際社会は重い負担を強いられることになる。
難民の現状
UNHCRによると2017年末の時点で、世界中で6850万人が内戦や治安の悪化によって難民や国内避難民などとして故郷を追われ、強制的に移動しなければならない状況に置かれている。このうち2540万人が他国に逃れている「難民」、4000万人が自国にとどまって避難生活を送る「国内避難民」、そして310万人が「庇護希望者」である。
2017年末時点で、最も多く難民を受け入れている国はトルコで350万人、次にウガンダ、パキスタンで140万人と続いている。受け入れ国の85%は発展途上国である。
難民としての生活を終えるためには大きく分けて3つの方法がある。1つは状況が改善し、祖国に帰る「帰還」、避難した国で定住先を見つけ住み続ける「避難先定住」、最後に祖国でも避難先でもない第3の国定住する「第3国定住」である。戦争や内紛の長期化を背景に難民キャンプの生活から抜け出せない難民の数が増加している。そのため「第3国定住」が1つの選択肢になっている。また第3国定住の受け入れ国の多くは先進国であり、比較的社会や経済が安定している国である。そのため発展途上国の負担軽減にもつながっている。
日本と難民
日本では2014年度におよそ5000人が難民申請を行っている。その中で難民として認められた人はたったの11人で残留を認められた人は110人、合わせて121人が日本に残留する許可を受けたことになる。しかし他の先進国と比べると日本の受け入れ人数は少なく適正な負担を求められている。
日本はかつて1度だけ大量の難民は受け入れたことがある。1970年代に起こったインドネシア難民である。ベトナム、ラオス、カンボジアで発生した戦争から逃れ、難民は周辺国に逃れたため日本は11319人ものインドネシア難民を受け入れた。またAAR(難民を助ける会)が設立されるきっかけになった。
参考文献
UNCHR https://www.unhcr.org/jp/what_is_refugee
AAR Japan https://www.aarjapan.gr.jp/activity/emergency/refugee.html
H.Nとまと