音楽療法

出典: Jinkawiki

目次

音楽療法

定義

日本音楽療法学会は以下のように音楽療法を定義している。「音楽療法とは、音楽の持つ生理的、心理的、社会的働きを用いて、心身の障害の回復、機能の維持改善、生活の質の向上、行動の変容などに向けて、音楽を意図的、計画的に使用すること」となっている。  これは古代から用いられてきた音楽の治療的特質のことであり、Boxhillは音楽の治療的特性を以下のようにまとめている。 ①音楽は通文化的な表現形態である。 ②音楽はその非言語的特性により、コミュニケーションの手段として自在に用いられる。 ③音楽は人間の個々の知力や状態にかかわりなく、音刺激として直接人間の心身に働きかける。したがって、音楽は諸感覚を刺激し、気分や感情を喚起し、生理的、精神的反応を引き起こし、心身に活気を与える。 ④音楽固有の構造と特質は、自己統合や集団組織化のための可能性を有する。 ⑤音楽は、音楽的行動と非音楽的行動の両面に影響を及ぼす。 ⑥音楽は学習や諸技能の獲得を促進する。 ⑦音楽は、機能的、順応的、美的に卓越した形態であり、あらゆる臨床場面に適応できる。 これらの音楽の治療的特質を意図的、計画的に使うということは、クライエントの情報を収集し、キチンと事前評価し、目標を設定し、どのように音楽を使うのか、どのように音楽の治療的特質を使えるのか計画を立て、実際に音楽介入を行い、その結果クライエントはどのように変化したのかを評価するということである。この評価によっては、またアセスメントをし直したり、計画を立てなおすということになる。この作業は循環的になされなければならない。


形態と効果

①鑑賞する  アセスメントの結果、選曲した既成の曲を生演奏または録音で聴取する。このことで、記憶、回想を促進せる。また、意 識水準を変化させるなどの目標が設定される。 ②演奏する  感覚運動スキルの促進や、歌うことによる言語機能の改善、コミュニケーション機能の発達、または感情表現や、発散に より情緒を安定させる。 ③身体を動かす  感覚運動スキルを改善したり、運動機能を高める。時間的秩序に適した行動を促進する。また他者への共感、相互作用な ど集団スキルを促進させる ④創作する  計画性、組織力の育成、および内的体験における表現力の向上、自己への責任感の向上


対象

高齢者領域が35,3%、児童領域が32,9 %、成人領域が25,8%、、総合病院などが6%となる。


参考文献

音楽療法 高橋多喜子著 金芳堂


  人間科学大事典

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  構成