高額紙幣の廃止
出典: Jinkawiki
背景 高額紙幣には高い価値があるため犯罪者が資金を運ぶのに有利であるなどの指摘があった。 さらに汚職やマネーロンダリングに使われる恐れがあるという意見もあり、世界的には廃止すべきという流れになってきている。 日本では最高額の紙幣は一万円札であるが、流通割合は約87%といわれている。 クレジットカードやデビットカードの利用、電子マネーの普及でキャッシュレス化が世界的に進んでいるのも一番の要因である。 日本ではATMの維持管理費用が年間二兆円ほどかかっているといわれている。銀行では超低金利政策やキャッシュレス化のあおりを受け、利益が減っているという。
事例 インドでは、2016年に1000ルピー、500ルピー紙幣が使用不能となった。 EUでは将来的に500ユーロ紙幣が廃止される予定である。(すでに、英国では500ユーロ紙幣の両替は不能となっている) ヨーロッパではたびたびISISによるテロ等が起きており、テロ組織への資金流出に関して問題が議論されており、対策の一つと言われている。 アメリカでは、100ドル札の廃止論が強いといわれている。国外での流通量のほうが多くさらに不正に使われている事例が多いという。 日本では一万円札の流通量は日本円紙幣の九割近くを占めているといわれており、最高額の紙幣の流通が多いという珍しい事例である。 フランスでは1000ユーロ以上は現金で支払うことができない。以前は支払い上限は3000ユーロであり、1000ユーロを上限にすることには反対意見も強かったが、イスラム系テロ組織関係者による新聞社襲撃事件を受けテロリズムに対する警戒が高まり実行された。
参考文献 『現金大国日本、ATMの維持に年間2兆円。日本特有の商慣習はあり?なし?』THE PAGE 2018年1月10日 淵田 康之 『高額紙幣廃止で脱現金、1万円札は紙幣残高の87%』 日経Biz Gate 2017年12月18日