B型肝炎
出典: Jinkawiki
B型肝炎と感染経路
B型肝炎はB型肝炎ウイルス(HBV)が血液・体液を介して感染して起きる肝臓の病気です。HBVは感染した時期、感染したときの健康状態によって、一過性の感染に終わるもの(一過性感染)とほぼ生涯にわたり感染が継続するもの(持続感染)とに大別される。
思春期以降にHBVに感染すると、多くの場合一過性感染で終わる。感染の原因のほとんどはHBV慢性感染者との性的接触によるものと考えられており、この他、十分に消毒していない器具を使った医療行為、入れ墨、ピアスの穴開け、カミソリや歯ブラシの共用、麻薬・覚醒剤使用時の注射器の回しうちの際、HBV持続感染者の血液が付着したままで次の人が使用すると感染の可能性がある。HBV感染後、一過性の急性肝炎を起こすことがしばしばありますが、その後大部分の人ではHBVは排除され、慢性化しない。またHBVに感染しながらも、急性肝炎の症状が出現せず、気づかないうちにHBVが排除される人も少なくない。
一方HBVが慢性感染している人の大部分は、母親がHBVの持続感染者で、出産時に産道出血によりHBVが新生児の体内に侵入することにより感染する(母児感染)。その他乳幼児期に医療行為、口移しの食事、傷口からの出血など何らかの理由で、HBVの持続感染者の血液・体液が体内に侵入すると、持続的な感染を起こす。また成人であっても、体の抵抗力(免疫力)が低下するような、免疫抑制剤使用中、抗癌剤治療中、後天性免疫不全症候群(AIDS)患者の人たちは、HBV感染後、自分の力ではHBVが排除できずに持続感染を起こすことがある。また従来は健康な人に発症した急性B型肝炎は慢性化しないといわれてきましたが、近年ジェノタイプA型と呼ばれる、欧米型やアジア・アフリカ型といった外来種のHBVに感染すると比較的高率に慢性化を起こすことも知られている。
B型肝炎訴訟
B型肝炎に感染したのは1948~88年に国が地方自治体に実施させた集団予防接種などが原因だとして、1989年から現在にかけて全国10地裁で患者や遺族型630人が国に賠償を求め訴訟が起こっている。 2011年1月11日から、札幌地方裁判所で、B型肝炎訴訟の和解期日が開かれ、裁判所は、「B型肝炎訴訟の和解に向けての当裁判所の見解」を発した。全国原告団は札幌地裁が提示して和解案の受け入れを決定した。症状に応じて患者に3600万~1250万円、症状の出ていない感染者に50万支払うよう国に求め、国側も子の和解案を受け入れた。救済規模が3兆円を超える過去最大の医療訴訟となった。
◇参考文献
独立行政法人国立国際医療研究センター 肝炎情報センターhttp://www.ncgm.go.jp/center/forpatient_hbv.html
Yahoo!ニュース(1/22)http://backnumber.dailynews.yahoo.co.jp/?m=4146578&e=hbv