CITOテスト5

出典: Jinkawiki

概要

 CITOテスト(Centraal Instituut Voor Toestsonwikkeling)とは、全国共通学力テスト(オランダ語、算数、学習スキル、一般知識、ワールドオリエンテーション/地理・歴史、生物、物理、市民科、宗教運動の教科で学んだ知識の応用)のことである。このテストは義務ではないが、60%以上の学校が参加している。オランダの子どもたちは、初等教育の終わる12歳(日本の小学6年生)にCITOテストという全国共通学力テストを受ける。2 月のはじめの 3 日間に受け、全国の生徒の成績と比較してどの程度の位置にあるか教科ごとに示された結果と普段の成績を加味して、保護者と子どもと教師の三者で今後の進路・進学するコースを決める。日本ほど学歴主義が強くないオランダでは、知識や学力だけが子どもの能力を測定する基準ではない、という意識が国民に多く浸透している。しかし、客観的な基準で測定された資料は説得力を持ち、自分の観察を裏付けるものになるため、多くの学校がCITOテストを取り入れている。


CITOとは

 CITO(シト) は、オランダを拠点とするテスト・測定分野のリーディング・カンパニーのひとつで、1968年にオランダ政府により設立され、1999 年に民営化された。現在では世界30カ国の教育機関と協力のもとに質的に高い教育・言語・人材育成のプログラムを展開する、欧州最大の教育評価(学力テスト)機構となっている。人の潜在能力を観察・測定することを事業の中核とするCITOの教育テスト開発の中でも85%のオランダの小学生が利用するテスト「End of primary school test」が有名であり、子どもたち一人ひとりの学習習熟度を調べている。(試験内容は、言語・算数/数学・学習スキル・ワールドオリエンテーション(地理・歴史・生物・物理・市民科・宗教運動の教科で学んだ知識の応用)初等教育だけではなく、中等教育向けのテストやシステムの開発も手がけ、そのテスト結果は成績の経年比較なども行い、教育政策の改革に役立てられている。


参考資料

「オランダの教育―多様性が一人ひとりの子供を育てる―」(2004)

リヒテルズ直子 平凡社


  人間科学大事典

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