Cop15Ⅲ

出典: Jinkawiki

cop15とは?


地球温暖化を防止するための会議のことである。1997年に採択された京都議定書の温室効果ガスの削減期間は2008年に始まり、2012年には切れてしまう。温暖化による被害が極めて深刻と世界で危機感が強まり、2年前にインドネシアのバリ島で開かれたCOP13で、2013年以降の国際枠組み(ポスト京都議定書)を、COP15までに決めようと交渉が始まった。京都議定書は、産業革命以後、排出し続けてきた先進国にまず削減を義務づけたが、2001年に世界最大の排出国だった米国が離脱したうえ、経済成長が著しい中国やインドなど新興国の排出量は急増しており、京都議定書を批准した先進国の排出量は今では世界全体の約3割にすぎない。このため、COP15では、米国と新興国も含めた主要国が排出削減に参加する新しい枠組みづくりを目指した。都議定書に続く、大きな温室効果ガス排出削減のための約束が、いよいよ交される会議、と注目された。


コペンハーゲン会議


WWFは、コペンハーゲン会議を成功させる上で、以下の10のステップが必要であると考えた。 1.コペンハーゲンでは、京都議定書の改訂と、新たなコペンハーゲン議定書との二つを策定し、法的拘束力のある枠組みを構築しなければならない。それは、国そのものの存続から、文化や生態系の保全を確保し、低炭素社会への道筋を明らかにするものである。 2.世界の排出量を2017年までにピークアウト(減少に向かわせること)させ、地球の平均気温の上昇を、危険な温暖化を招く閾値である2度未満に抑え、できるだけ早い時期に1.5度未満に下げること。 3.先進国全体として、排出量を2020年までに1990年比40%削減することを約束すること。 4.途上国は2020年までに、削減努力をしなかった場合と比較して、排出量を少なくとも30%削減するための大幅な削減行動をとることに同意すること。 5.先住民や地域コミュニティの権利を考慮しつつ、森林減少と劣化による排出量を減らし、2020年までに、森林による吸収量とバランスをとること。 6.特に脆弱な国や生態系に対して、保険や補償を含めた即時の適応行動のための枠組みを設置すること。 7.革新的な資金メカニズムによる資金源などを通じて、途上国への適応や緩和のために、公的な資金援助が年間1600億USドルの規模で提供されること。 8.戦略的に、低炭素社会と適応に必要な技術を途上国へ移転するための支援を、大幅に増加させるメカニズムをUNFCCCCの下に設置し、さらに市場をも誘導することが可能となる、地球規模の技術移転目標が合意されること。 9.透明性ある民主的な手段で、緩和と適応の行動を実施に移し、資金の配分を行う新たな組織がUNFCCCのもとに設置され、なおかつ遵守を確保すること。 10.加盟国が、カーボンマーケットや森林・土地利用、緩和努力と(技術)革新などの重要な項目について、透明で比較可能な指標に合意し、国際航空と船舶による排出量制限のための手段に合意すること。

そして、このコペンハーゲン会議には、世界から押しかけた3万人あまりの人々に加え、後半に入ると、今までの、温暖化防止会議では例のない、110人以上におよぶ各国の首脳陣が参集しました。会場には警備員が立ち並び、厳重警戒の体制。会議第一週までは、自由に立ち入っていたNGOのスタッフたちも、外に締め出され、コペンハーゲンの町には、人が溢れかえりました。 そして迎えた最終日、会議は結局収束されず、当初予定されていた終了日の金曜日を丸一日過ぎた、翌土曜日の現地時間午後3時半になってようやく閉幕した。


cop15 コペンハーゲン会議が終了して。 


2007年12月のバリ会議以降、2年間におよんだ国際交渉を受け、開催された、コペンハーゲン会議(COP15/COPMOP5)が終了した。世界が温暖化防止に向け、初めて交わした約束「京都議定書」の、第一約束期間が終わる2013年以降、国際社会がどのような目標を定め、約束するのか、その枠組みについて、温暖化の脅威を避けるために必要な削減レベル、として科学が示した数値に届かない、先進国の目標、そして、削減行動を国際的に約束することを拒む途上国、両者の間の対立は容易に埋まらず、会議は最後の最後まで紛糾し、確かな合意は得られなかった。


コペンハーゲン会議では何が得られたのか?


会議終盤、アメリカや中国を含めた、先進国ほか20あまりの国々が、話し合いと譲歩を重ね、ようやっと先進国の削減目標と、途上国の自主的な削減目標を含んだ宣言文書「コペンハーゲン協定」をまとめたが、その進め方について、文書の取りまとめに参加していなかった、他の多くの国々が反発し、「協定」は事実上、意味をなさなくなってしまった。そして、今回の会議の最も重要な課題だった、「法的な拘束力を持った削減目標を定めた新たな議定書」の採択も、先送りされていました。しかし、中国などの温室効果ガスを大量に排出している途上国が、自分たちの取組はあくまでも自主的なものであり、温暖化の責任を負うべきは先進国であるとの立場を強く主張したため、国際的な検証の対象となるのは、先進国からの支援を受けて行う削減行動のみとなりました。途上国の温暖化対策支援のため、先進国は、2010~2012年の間に300億ドル、2020年までには年間1,000億ドルの資金供与を目標とすることを約束した。 今回の会議について、WWFの気候変動プログラム・リーダーのキム・カーステンセンは次のように言っている。 「コペンハーゲン会議は、リーダーシップの乏しさと、信じ難いほどの消極的な姿勢によって、失敗の一歩手前で終わりました。2年間の交渉の末に、私たちは、内容が曖昧で不十分な「協定」を、手にしただけでした。アメリカの気候変動法案成立の可能性と、途上国に対する資金援助開始の可能性が開けたことを除けば、実効性のある温暖化対策の妨げになっている政治的な障害は、全く取り除かれませんでした」。 つまり、温暖化防止の必要性は理解していても、約束の中身が伴っていなければ、地球を危険な気候変動から守ることはできなく、豊かな国々と貧しい国々が、従来にない、全く新しい方法で協力しないと、この危機は乗り越えられないのだろう。


参考文献 http://www.wwf.or.jp/activities/2009/12/778321.html


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