GCC

出典: Jinkawiki

GCCとは、"Gulf Cooperation Council"の略。日本語では「湾岸協力会議」と呼ばれ、1981年5月に設立された、中東・アラビア湾岸地域における地域協力機構をいう。現在、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、クウェート、カタール、バーレーン、オマーンの6カ国が参加している。アラビア湾に面するすべての国が加盟しているわけではなく、イラン及びイラクは、現在非加盟である。イエメンは、2009年末現在、加盟交渉中であり、2016年までには加盟する意思を見せている。1979年以降のイラン革命、旧ソ連のアフガニスタン侵攻、イラン・イラク戦争などで中東・ペルシャ湾岸地域の安全保障への危機感が高まり、同機構の加盟国地域における共通規制・経済発展・共通通貨・人的交流などの推進を目指して創設された。本部は、サウジアラビアの首都リヤドにある。

国境紛争など対立点も多く、合同軍「半島の楯」の創設が、1984年以来議論されてはいるが、いまだ実態はともなっていない。2003年4月、湾岸協力会議は緊急外相会議を開き、イラク全土を掌握した米英軍の早期撤退を求めた。地域の経済協力を促進する連合体という色彩も強く、1983年には域内の貿易を自由化、また2003年には関税撤廃を決めた。

一般にGCCは、他の経済圏と比較して、人口やGDPは小さいが、言語はアラビア語、宗教はイスラム教と文化・社会的な同一性が強く、さらに原油や天然ガスの一大産地であり、今の世界の原油生産において大きなプレゼンスを占めている。ちなみに日本は、原油輸入の9割を中東に依存している一方で、中東への輸出は輸入より格段に少ないため、同地域については大幅な貿易赤字となっている。また、GCCの憲章では、イスラム教に基づく共通点や類似性が加盟国の結束の基礎にあると明記されている点は極めて特徴的であり、また公式ホームページの中でその憲章について解説し、「GCCは、(イスラム教を基礎とした)過去の伝統を引き継ぎ、発展させ、制度化したものであると同時に、一方で湾岸地域における安全保障および経済発展を目指すものである」との説明を加えている。なお、同機構において、首脳会議が最高意思決定機関であるが、人口や経済規模で他国を圧倒するサウジアラビアの影響力が一番強い。


(参考)

金融経済用語集 http://www.ifinance.ne.jp/glossary/global/glo035.html

マネー辞典 m-Words http://m-words.jp/w/GCC.html


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