MOOC(ムーク)2

出典: Jinkawiki

目次

MOOC(ムーク)とは

高等教育に変革を起こす無料オンライン講座。大学の授業をインターネットで無償公開するサービス。2012年、アメリカを中心として、MOOCが世界中から注目を浴びた。日本を含む全世界で2000万人ともいわれる受講者を集めている。例としてgaccoやOpenLearning,Japanがある。学校が主導権を握って提供してきた教育が、学習者主導へとシフトしつつあることを浮き彫りにした。協調学習型の教育へと変わる、グローバル教育のひとつの形、情報技術によるオープン教育ともみられる。


歴史

2011年秋、スタンフォード大学でコンピューターサイエンスを教えるセバスチャン・スライ教授らが人工知能に関する自身の講義をネットで公開し、約190カ国から16万人を超える受講者を集めたのがきっかけだ。 2012年1月、スラン教授らは大学講義を無料でオンライン配信する会社「Udacity(ユダシティ)」を設立。すると、同じくスタンフォードのダフニー・コラー教授らもオンライン講座で約20万人の受講者を獲得、運営会社「Coursera(コーセラ)」を4月に旗揚げ。 2012年2月、マサチューセッツ工科大学(MIT)とハーバード大学が協力し、非営利組織「edX(エデックス)」でMOOCの運営に乗り出した。これらの無料配信サービスには自校だけでなく、米国内外から多くの大学や教授が講義を提供することになる。 以来、世界中で同様のMOOCがいっせいに動き出し、今では受講者総数も2000万人を超えると目される。その流れで日本でも2013年10月にJMOOCが発足し、産学が連携して普及を図る体制を整えた。MOOCは当初一部の名門校による「優秀な学生を集客するための経営戦略」と見る向きもあったが、すでにそうした思惑でコントロールできるほど受講生のコミュニティは小さくない。成否は受講生のニーズでわかれる。


人気の理由

無料で世界最高レベルの知識を得られる。すべての人にオープンで、勉強したい人はだれでも受けられる。講師や受講仲間と双方向コミュニケーションができる。広く教育の門戸を開いた仕組みとして世界で注目されている。 無料なのに①一流講義の動画が見放題、②宿題や試験もある③水準に達すれば教授から修了証をもらえる④受講生間で質疑や討論もできることが人気を集める理由である。修了証は正規の単位ではないが、就職活動では学習証明の一種として使われるようになっている。実際に学習履歴や成績をもとに受講生と企業をつなぐ、人材紹介ビジネスを展開するMOOCもある。 また、進学先を決めるために、大学授業のプレ体験としてMOOCを活用する受講生もいる。 MOOCはこれまで高等教育との接点が限られてきた世界中の有能な人材にも大きく門戸を開く。 大学や教員が世界中の目にさらされ、自らの教育の質を見直さざるを得なくなることも意味している。


課題

問題解決の手法やアクティブラーニングを取り入れた対面式の授業を組み合わせて提供するなど、より高度化した教育のあり方を工夫していく必要がある。


参考文献

・アルク(2016)『グローバル教育を考える』アルク教育総合研究所

・福原正大(2016)『ストーリーで読む 世界で通用する人のための勉強入門』PHP研究所


ハンドル名:ar


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