NAFTA
出典: Jinkawiki
NAFTA
1994年1月に発効し、アメリカ、カナダ、メキシコによる相互に市場を開放するための協定である。 協定の主なものは、第一に、全品目の関税を、原則として協定発効から15年以内に全廃する。第二に、2000年までに、金融市場の全面自由化を達成する。第三に、現地部品調達率(ローカル・コンテスト)を8年後に62.5%にする。三カ国の99年のGDP合計は、9兆64億ドル、人口約4億1千万人であり、EUを上回る世界最大の経済圏である。
北米自由貿易協定
1992年12月に調印され、94年1月に発効したアメリカ、カナグ、メキシコの北米3国間の貿易協定。通常、NAFTAと呼ばれる。
米加自由貿易協定(US・Canada Free Trade Agreement、89年)にメキシコが加わる形で成立。10~15年で加盟国間の関税を段階的に撒廃していく。NAFTA参加によって、メキシコから見れば直接投資と輸出の拡大が期待でき、カナダにとっては米加自由貿易協定の既得権益を確保できるというメリットがあった。 またアメリカでは当時、東南アジアが日本の生産拠点の一郎に組み込まれ、さらに輸出財を吸収する市場の役割を果たしているという認識が行き渡り、そうした日本の経済力に対抗する上でも、またEUに対抗する上でも、メキシコを含む中南米との関係強化を目指すべきだという声が強かった。このような政治経済的事情を背景として生まれた のがNAFTAである。
ただし、NAFTAはEUと違い、参加3国の間で対外障壁が共通化されていないため、日欧やアジア企業にとっては障壁の低い国を通して他の加盟国へ輸出することも、労働コストの低いメキシコで現地生産し、それをアメリカやカナダの巨大市場へ有利な条件で販売することも可能。そこで、域外企業がこの種の利点を過度に享受することを防ぐために、生産部品の現地調達比率による原産地規制を導入。さらに、アメリカ企業やアメリカヘ進出している域外企業にとっては、アメリカ・メキシコ国境地帯に設けられた輸出保税加工地区(マキラドーラ・ゾーン maquilado]a zone)へ部品を運び、そこで加工した 財を再度、無関税でアメリカ市場へ持ち込むという利点があるため、この地域には日本を含むアジア企業やアメリカ企業の加工工場と組立工場が密集している。
NAFTAは、
①人口、GDPでEUや日本をしのぐ最大の自由貿易圈、 ②アメリカ大陸全体を含む米州自由貿易圈(FTAA Free Trade Area of the Americas)へ発展する可能性が高い
など、世界経済に対してもきわやて重要な意味をもつ。
NAFTA発効後、特にアメリカ・メキシコ間の貿易の拡大が顕著である。アメリカの統計によれば、1993年から2004年までにアメリカからメキシコへの輸出額は約166%増(同時期の対カナダ輸出額は約89%増)、アメリカのメキシコからの輸入額は約290%増(同時期の対カナダ輸入額は約130%増)であった。 NAFTA
引用
http://note.masm.jp/NAFTA/ NAFTA
第2版 詳説 政治・経済研究2008年出版 山川出版社
ハンドル名 かおなし