PISAショック
出典: Jinkawiki
PISA(Program for International Student Assessment)はOECD(経済協力開発機構)教育部門が2000年から3年ごとに15歳を対象にして「読解リテラシー」「数学リテラシー」「科学リテラシー」の各分野を中心に実施している国際的な「学力」調査のことである。そして、このPISAは各国や日本の教育界に大きな影響を与えてきた。さらに言えば、PISAショックという言葉は日本だけでなく、他国にも該当する言葉である。というのも、PISAショックという言葉はドイツで生まれたものであり、PISAの結果はドイツにとって衝撃的な結果であった。そのためドイツでは教育界だけでなく、政治、経済、社会などあらゆる分野で影響を与えたとされている。そしてそれ以降、ドイツでは大がかりな教育改革が進められている。これは日本においても同様である。日本におけるPISAショックの影響は、学習指導要領の改訂という教育課程政策に顕著にみられる。2008年の学習指導要領の改訂では、「発展的な内容を教えてはならないという趣旨ではなく、すべての子供に共通に指導するべき事項ではないという趣旨」を徹底させるために、学習指導要領では各教科における「(……の)事項は扱わないものとする」という「はどめ規定」が削除された。また、言語活動の充実を教科横断的に位置づけたことは、PISA調査の読解力低下と活用型教育の必要を理由としたPISA型学力への積極的な対応であると考えられている。
久田敏彦(2013)「PISA後の教育をどうとらえるか」