PISA6
出典: Jinkawiki
・PISAとは PISAとは、Programme for International Student Assessmentの略語である。「生徒の学習到達度調査」と訳されるこの国際比較学力テストは、OECDによって西暦2000年に開始された。31か国でスタートしたPISAには、今日では倍以上となる65の国・地域が参加するようになっている。参加国・地域の数は、今後増加することが予想される。3年に1度開催されるため「学力のワールドカップ」とも言われている。
・PISA上位国―フィンランド フィンランドは公正を重視した教育改革が目指している。具体的な政策として「ルク・スオミ」と呼ばれる読解力向上プログラムや「ルマ」と呼ばれる理数科向上プログラムが実施された。いずれも、基礎学力向上とすべての子供たちに一定の学力をつけさせることを狙いとするものであった。国内でも、PISAの好成績は、公正を重視した教育改革の成果と捉えられていて、それはPISAの成績にも表れている。2000年のPISA調査では、フィンランドの好成績に注目が集まったが、他方で低学力層の割合の低さはその後も維持され、PISA2009の読解力においても低得点の生徒は10パーセント未満である。フィンランドの高成績は、一部の高学力層が牽引しているというよりは、多くの子供たちが一定の学力を獲得した結果であると解釈できる。
・日本のPISAの成績 初めてとなる2000年、日本のPISAのランクは数学的リテラシー1位、科学的リテラシー2位、読解力8位だったが、その後2003年調査、2006年調査で連続ダウンした。特に2006年調査での順位の下落ぶりは顕著であり、数学的リテラシーが同6位から10位へ、科学的リテラシーが同2位から6位へ、読解力が同14位から15位へとダウンした。その結果「確かな学力」向上路線が一気に加速した。2007年に導入された全国学力・学習状況調査はその代表的な取り組みである。
参考文献・・・PISAは各国に何をもたらしたか 出版 明石書店 編著 志水宏吉、鈴木勇 発行日 2012年4月22日