PLO(パレスチナ解放機構)
出典: Jinkawiki
PLOはPalestine Liberation Organizationの略であり、パレスチナ解放機構と訳される。パレスチナ解放運動に賛同するパレスチナ人及び各機関から構成される。
概要
1945年、アラブ7カ国(レバノン・シリア・ヨルダン・エジプト・イラク・サウジアラビア・イエメン)はアラブの連帯強化のため、エジプトを中心としてアラブ連盟を結成した。エジプトでは1952年、ナギブ・ナセルらの自由将校団が革命をおこし、翌年共和制に移行した。一方、ユダヤ人は1948年にアメリカ・ソ連の支援によってイスラエルの建国を宣言した。すると、アラブ連盟がこれに反発し、パレスチナ戦争が勃発した。アラブ諸国とイスラエルの対立はその後も続き、1964年の第1回アラブ首脳会議ではPLO(パレスチナ解放機構)がアラブ連盟により設立された。イスラエル建国で難民となったパレスチナ人(パレスチナのアラブ人)の対イスラエル闘争の統合組織となり、反イスラエルの中心勢力となった。どちらかというと、パレスチナ解放のためというよりは、パレスチナ人が独走しないようにするための組織だった。アラブ諸国、特にナセルが自らの政策に利用するために作ったという見方もある。1969年、そうしたPLOの主導権をアラファトが奪い取り、議長として活動を始めた。しかし、アラブ諸国はPLOの支持をめぐって分裂し、エジプトはイスラエルとの和解に応じて1979年にエジプトーイスラエル平和条約を締結し、1982年にシナイ半島をエジプトに返還した。その後、PLOもイスラエルとの共存路線に転じたが、イスラエルはこれに応じずにユダヤ人入植をすすめたため、パレスチナ住民はインティファーダ(投石などによる非武装の民衆蜂起)で対抗した。
組織
- パレスチナ民族評議会(PNC)
PLOの最高意志決定機関。PLOの国会に相当、669名からなる。
- PLO執行委員会
PLOの「内閣」に相当する政策執行機関。18名からなる。
- パレスチナ中央評議会(PCC)
ミニPNC。PNC開催が困難なときこれに代わるもの、95名からなる。
PLOはひとつ屋根の下に主義主張の異なるさまざまな組織やグループが集まっている。したがって、穏健派から過激派までいろいろなグループがある。最高意思決定機関は ‘国会’にあたるパレスチナ民族評議会(PNC)である。約669名からなる。このPNCから選出された執行機関がPLO執行委員会である。執行委員会はいわば‘内閣’、その下には外務省にあたる政治局、文部科学省にあたる教育局などがあり、執行委員のメンバーが‘大臣’である各局の長を務めている。現在、執行委員会は18名からなっている。
参考文献
・外務省 パレスチナ:http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/plo/ (平成22年7月5日参照) ・立山良司(1989)『イスラエルとパレスチナ』、東京、中央公論社 ・山井 教雄(2005)『まんが パレスチナ問題』、東京、講談社 ・高橋和夫(2005)『改訂新版 第三世界の政治』、東京、日本放送出版協会
BY.WANDER ROCKET