SWAT
出典: Jinkawiki
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SWAT
SWATとは、Special Weapons And Tactics(特殊火器戦術部隊)の略称で、アメリカ合衆国の警察に設置されている特殊部隊および同種の部隊を指す。 SWATは、市民に対する説明責任を果たす為と犯罪者に対する抑止効果を狙い、雑誌などの取材も比較的気軽に受け、機密部分以外は訓練内容や現有装備などを公開している。また、SWATの隊員は普段、通常の制服警察官と同様にパトカー勤務員などの業務に就き、出動時のみSWATに参加することが多い。このような体制は「パートタイムSWAT」と呼ばれる。 また、SWAT隊員の給料は所属する警察組織により異なるが、特別手当が付くことは少ない。決して出世コースと言う訳では無く、危険な任務ではあるがSWATを志願する警察官は多い。また、ロサンゼルス市警察の場合、年齢30代後半から40代の経験豊富な警察官が部隊の中心となっている。
歴史
アメリカ合衆国は建国以降、国内の大規模騒乱など、警察・保安官が対応し切れない事案には軍が関与する規定になっていた。だが1873年に、「民兵隊壮年団制定法」が制定され、暴動、騒乱等には、保安官の招集を受けた成年男子が、集団で対処することとなった。また一方で、軍の動員を基本的に禁止し、軍の関与は最後の手段と規定された。 同法の制定により、各自治体警察では、暴動等に対処するための部隊を編成したが、部隊の名称、人員規模、指揮系統などは警察により異なっていた。その後、1966年にテキサスタワー乱射事件が発生し、事件を管轄したオースティン市警察は対応し切れず、結果として、警察官を含む15名が死亡し、この事件がSWAT創設の契機となった。 また、最初にSWATを編成し、またSWATと命名したのはロサンゼルス市警察である。 創設時にSWATは、ベトナム戦争での軍隊経験を有する警察官を中心に編成され、合衆国陸軍、海軍から指導を受けた後、警察独自の戦術を確立させた。以後、全米の警察機関が、ロサンゼルス市警察を参考にしてSWAT、もしくは名称の異なる同種の部隊を相次いで創設した。また、当初の部隊名称は「Special Weapons Assault Team(特殊火器攻撃隊)」であったが、「警察部隊にしては過激な名称だ」との指摘を受け、「Special Weapons And Tactics(特殊火器戦術部隊)」に名称が変更された。
任務
SWAT部隊は主に突入班、狙撃・監視班、交渉班などの役割に分かれている。 主な任務は、普通の警察官では対応しきれない凶悪犯罪(立て篭もり事件など)への対処であり、突入する際は「サーチ&リカバリー(捜索と回復、安全確保)」が基本である。室内に入る際は、入念な打ち合わせを行い、先頭の隊員は捜索用の柄付き鏡、ラジコンカメラ、ボールカメラなどを使い、室内を慎重に捜索し、確認を行う。そのため、一つの部屋に入るのに30分を費やすこともある。そして、人質の存在や二次被害の発生を想定して活動するため、映画のような激しい銃撃戦になることは殆ど無い。 またSWATは、その任務の性格上、建築物の中に突入して犯人を取り押さえるCQB(Close Quarter Battle)という近接・接近戦闘技術が発達しており、一般の人では敵わない。
参考文献
・現代の特殊部隊 著者 坂本明
・アメリカの対テロ部隊(その組織・装備・戦術) 著者 スティーヴン・F・トマイチク
(BAY)