WTO
出典: Jinkawiki
世界貿易機関(World Trade Organization)
国際的な貿易ルールを調整する、自由貿易促進を主な目的として作られた国際機関。
スイスのジュネーブに本部を置く、国連の正式な専門機関。特に、貿易に関する紛争を処理する機能を強化し、新しい世界の貿易秩序の構築を目指している。
自由貿易を推進する立場から、不当に高く設定された関税の引き下げを求めたり、輸入数量制限などの非関税障壁を取り除いたりすることを協議する。加盟国の協定違反に対し、経済的な制裁を課すことも可能。
1995年1月1日、関税および貿易に関する一般協定(GATT)ウルグアイ・ラウンドの合意に基づき、GATTを解消発展させる形で発足した。
従来から問題になっていたモノや農作物の貿易に加え、最近では、金融・通信・運輸などのサービスや、特許・商標・著作権などの知的所有権まで扱うようになった。これらについても国際的なルールづくりを進めている。
GATTが協定(Agreement)にとどまったのに対し、WTOは機関(Organization)である点が根本的に違っている。GATTは物品の貿易に関するWTOの基本的ルールブックとなっており、ウルグアイ・ラウンドではサービスの貿易、貿易に関する知的所有権、紛争解決などに関して新たなルールが作りだされた。
WTOは国家間貿易についての世界的なルールを扱う唯一の国際機関であり、その主要機能は、貿易が可能な限り円滑に、予測可能に、そして自由に行われるのを確保することにある。そのため加盟国に対して、以下のような機能を果たしている
・貿易協定の運用
・貿易交渉の場の提供
・貿易紛争の取扱い
・各国の貿易政策の監視
・技術支援と訓練プログラムを通じた開発途上国への貿易政策支援
・他の国際機関との協力
これらの結果、より希望に満ちた、平和で、予測可能な経済世界が実現すると期待されている。
加盟国
・アジア地域
インド、シンガポール、韓国、日本、パキスタン、フィリピン、香港、マレーシア、ミャンマー、モンゴル、中国、台湾、ネパール、ベトナム
・北米地域
アメリカ合衆国、カナダ
・中南米地域
アルゼンチン、ウルグアイ、エクアドル、キューバ、コスタリカ、コロンビア、ジャマイカ、チリ、ドミニカ、ドミニカ共和国、パラグアイ、ブラジル、ペルー、ボリビア、メキシコ
・欧州地域(NIS諸国を含む)
アイスランド、アイルランド、イタリア、オーストリア、オランダ、ギリシャ、スイス、スウェーデン、スペイン、チェコ、デンマーク、ドイツ、ノルウェー、フィンランド、フランス、ブルガリア、ベルギー、ポーランド、ポルトガル
・大洋州地域
オーストラリア、ニュージーランド、パプアニューギニア
・中東地域
アラブ首長国連邦、イスラエル、クウェート、トルコ、バーレーン、ヨルダン、サウジアラビア
・アフリカ地域
アンゴラ、エジプト、ガーナ、ギニア、ケニア、ジンバブエ、セネガル、タンザニア、中央アフリカ、チュニジア、ナイジェリア、南アフリカ共和国
など、151か国・地域が加盟している。(2008年2月現在)