てんかん
出典: Jinkawiki
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小児期はてんかんの発症頻度が非常に高い重要な時期である。 | 小児期はてんかんの発症頻度が非常に高い重要な時期である。 | ||
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3歳以下で全体の70%。 | 3歳以下で全体の70%。 | ||
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てんかん以外にも痙攣を示すような疾患は多く、判別を必要とする疾患は数多くある。 | てんかん以外にも痙攣を示すような疾患は多く、判別を必要とする疾患は数多くある。 | ||
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全体の有病率は人口1000人に対して10人である。 | 全体の有病率は人口1000人に対して10人である。 | ||
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小児期は約半数が原因不明のものである。 | 小児期は約半数が原因不明のものである。 | ||
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'''病因''' | '''病因''' | ||
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脳の明らかな器質異常が原因であるものを症候性、器質的病変が認められないものを特発性、症候性が疑われるが病変が不明なものを潜因性とする。 | 脳の明らかな器質異常が原因であるものを症候性、器質的病変が認められないものを特発性、症候性が疑われるが病変が不明なものを潜因性とする。 | ||
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'''てんかんの発作型分類''' | '''てんかんの発作型分類''' | ||
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①部分発作 | ①部分発作 | ||
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脳の一部に限局するニューロン発射を示すてんかん発作で、その一部のみに終始するものと、その近辺の部位や脳全体に発射が広まるものがある。 | 脳の一部に限局するニューロン発射を示すてんかん発作で、その一部のみに終始するものと、その近辺の部位や脳全体に発射が広まるものがある。 | ||
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部分発作は発作が起こる場所によって、運動発作・感覚発作などと呼ばれる。 | 部分発作は発作が起こる場所によって、運動発作・感覚発作などと呼ばれる。 | ||
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ⅰ単純部分発作 | ⅰ単純部分発作 | ||
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発作の始まりに意識が保たれていて、運動・知覚、精神・自律神経症状を本人が自覚している。 | 発作の始まりに意識が保たれていて、運動・知覚、精神・自律神経症状を本人が自覚している。 | ||
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ⅱ複雑部分発作 | ⅱ複雑部分発作 | ||
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意識障害を伴い、発作後に健忘を示す。 | 意識障害を伴い、発作後に健忘を示す。 | ||
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②全般発作 | ②全般発作 | ||
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脳波上、臨床上、両側大脳半球が同時に異常を示す発作。 | 脳波上、臨床上、両側大脳半球が同時に異常を示す発作。 | ||
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ⅰ欠神発作 | ⅰ欠神発作 | ||
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同じ姿勢でぼんやりと上の方を見つめ、時に瞬きや舌なめずりをする。呼びかけには答えない。 | 同じ姿勢でぼんやりと上の方を見つめ、時に瞬きや舌なめずりをする。呼びかけには答えない。 | ||
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ⅱ強直間代発作 | ⅱ強直間代発作 | ||
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突如意識を失い、強直けいれんかた間代けいれんに移る前進痙攣を起こす。 | 突如意識を失い、強直けいれんかた間代けいれんに移る前進痙攣を起こす。 | ||
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この他にもミオクロニー発作・脱力発作などがあるが発症する可能性が高いのは上の2つである。 | この他にもミオクロニー発作・脱力発作などがあるが発症する可能性が高いのは上の2つである。 | ||
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'''対処法''' | '''対処法''' | ||
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部分発作の場合は危険な場所でなければ特に行動を制限しない。呼びかけて反応をみる。本人が発作のあったことを自覚できるようになるまで様子をみる。 | 部分発作の場合は危険な場所でなければ特に行動を制限しない。呼びかけて反応をみる。本人が発作のあったことを自覚できるようになるまで様子をみる。 | ||
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特別な働きかけをする必要はない。 | 特別な働きかけをする必要はない。 | ||
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全般発作の場合はまず床に寝かせ、周辺に危険物があれば遠ざける。顔を真横に向かせ、軌道を確保する。下あごを持ち上げて唾液をふきとる。 | 全般発作の場合はまず床に寝かせ、周辺に危険物があれば遠ざける。顔を真横に向かせ、軌道を確保する。下あごを持ち上げて唾液をふきとる。 | ||
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口の中には何も入れないこと。 | 口の中には何も入れないこと。 | ||
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この他にも様々な発作があるが発作の様子を観察し、そっとしておくことが重要である。行動を抑制するなどの特別な働きかけはかえって悪化を招く。 | この他にも様々な発作があるが発作の様子を観察し、そっとしておくことが重要である。行動を抑制するなどの特別な働きかけはかえって悪化を招く。 | ||
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『医学一般』 竹下研三著 ふくろう出版 | 『医学一般』 竹下研三著 ふくろう出版 | ||
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『てんかんQ&A』 藤井正美・長谷川寿紀・林隆著 日本文化学社 | 『てんかんQ&A』 藤井正美・長谷川寿紀・林隆著 日本文化学社 | ||
2010年2月2日 (火) 22:21の版
てんかん
脳の神経細胞が異常な電気放電をすることで、意識・運動・感覚などの異常を発作的・反復的に生じさせる疾患のことである。
発症頻度
小児期はてんかんの発症頻度が非常に高い重要な時期である。 3歳以下で全体の70%。 てんかん以外にも痙攣を示すような疾患は多く、判別を必要とする疾患は数多くある。 全体の有病率は人口1000人に対して10人である。 小児期は約半数が原因不明のものである。
病因
脳の明らかな器質異常が原因であるものを症候性、器質的病変が認められないものを特発性、症候性が疑われるが病変が不明なものを潜因性とする。
てんかんの発作型分類
①部分発作 脳の一部に限局するニューロン発射を示すてんかん発作で、その一部のみに終始するものと、その近辺の部位や脳全体に発射が広まるものがある。 部分発作は発作が起こる場所によって、運動発作・感覚発作などと呼ばれる。 ⅰ単純部分発作 発作の始まりに意識が保たれていて、運動・知覚、精神・自律神経症状を本人が自覚している。 ⅱ複雑部分発作 意識障害を伴い、発作後に健忘を示す。 ②全般発作 脳波上、臨床上、両側大脳半球が同時に異常を示す発作。 ⅰ欠神発作 同じ姿勢でぼんやりと上の方を見つめ、時に瞬きや舌なめずりをする。呼びかけには答えない。 ⅱ強直間代発作 突如意識を失い、強直けいれんかた間代けいれんに移る前進痙攣を起こす。 この他にもミオクロニー発作・脱力発作などがあるが発症する可能性が高いのは上の2つである。
対処法
部分発作の場合は危険な場所でなければ特に行動を制限しない。呼びかけて反応をみる。本人が発作のあったことを自覚できるようになるまで様子をみる。 特別な働きかけをする必要はない。 全般発作の場合はまず床に寝かせ、周辺に危険物があれば遠ざける。顔を真横に向かせ、軌道を確保する。下あごを持ち上げて唾液をふきとる。 口の中には何も入れないこと。 この他にも様々な発作があるが発作の様子を観察し、そっとしておくことが重要である。行動を抑制するなどの特別な働きかけはかえって悪化を招く。
参考文献
『医学一般』 竹下研三著 ふくろう出版
『てんかんQ&A』 藤井正美・長谷川寿紀・林隆著 日本文化学社