ベンチャービジネス

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2015年5月18日 (月) 17:07の版
Bunkyo-studen2014 (ノート | 投稿記録)

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-== '''ベンチャービジネスとは''' ==+== '''意味''' ==
 +新しい技術や高い専門性を持ち、創造、旧来の方法などを改めて新しくする事業を展開する新興企業のことである。
-新技術や高度な専門性をもち、創造、革新的な事業を展開する新興企業のこと。投資家がベンチャー企業の株式を保有する「ベンチャーキャピタル」が発達したアメリカと違い、金融機関の融資に資金調達を依存しがちな日本では、起業家が育ちにくいといわれてきた。だが近年、日本経済の活性化には、景気を刺激するベンチャービジネスは欠かせない、という認識がひろがり、ベンチャー育成の環境が整備されつつある。都銀にベンチャー向けの融資制度が設けられたり、ベンチャーが株式を公開可能な「東証マザーズ」が開設されたことなどもその一環である。また、ベンチャーキャピタルも徐々に規模が拡大されつつある。 +== '''日本におけるベンチャービジネス''' ==
 +投資家がベンチャー企業の株式を所有する「ベンチャーキャピタル」が発達したアメリカと違い、金融機関の融資に資金調達を依存しがちな日本では、起業家が育ちにくいといわれてきた。だが、近年、日本経済の活性化には、景気を刺激するベンチャービジネスは欠かせない、という認識が広がり、ベンチャー育成の環境が整備されつつある。都銀にベンチャー向けの融資制度が設けられたり、ベンチャーが株式を公開可能な「東証マザーズ」が開設されたことなどもその一環である。
-== '''ベンチャービジネスを始める際に気を付けること''' ==+== '''ベンチャーキャピタルの意味'''==
 +高い成長性が見込まれる未上企業に対し、成長のための資金を株式投資の形で提供することである。
-1.事前の市場調査不足+== '''アメリカにおけるベンチャーキャピタル''' ==
- 思い込みや古いデータに基づき市場に飛び込んでみたら、そこはすでに大企業の独占状態だったり、需要がほとんど無かったり、あるいは時代遅れだったりで、想定していたビジネスが成り立たないという事例。事前調査にはそれなりの時間とお金がかかるが、これを怠ったのではリスクは極めて高くなる。現地調査や周囲の環境も調べずに、一軒家を買う人がいないのと同じである。+アメリカでのベンチャーキャピタル投資額は、PricewaterhouseCoopersの”MoneyTree Survey”によると1999年には356億ドル、それに対してVECの調査によると1999年の日本のVC年間投資額は1157億円と、国全体の投資額としては約30倍の開きがある。これは日本ではベンチャーがなかなかうまれないということもあるが、ベンチャーキャピタルが置かれている制度的環境の違いも大きな影響を及ぼしている。アメリカではベンチャーキャピタル出資者に占める年金基金の割合が非常に大きく、1979年のERISA改正でベンチャーキャピタルの資金を集めて投資を行う企業の運用者はそれまでの裁量権をもつことになった。
-2.検討違いな事業計画+== '''ベンチャーの考え方''' ==
- 思いついた時点では素晴らしいアイディアのように見えても、それがビジネスに結び付くか否か、現実性のあるなしはまた別の話。いわゆる「フラッシュアイディア」を本当のビジネスとして形づけるには、「(そのビジネスが解消しうる、必要とされる)問題の提起」「どんなビジネスなのか、その説明」「成功に至るまでの概要説明・レジュメ」「市場調査などを含めたマーケティング戦略」「財政面における計画」「人員計画」「ビジネス上のゴールの設定」「関係者個々の財政上の問題」「計画全体の概要」が必要となる。いわゆる「正しい事業計画の立案」というものだ。+ベンチャーというと、できたばかりの会社か、規模の小さな会社と思われがちだ。しかし、ベンチャービジネスとは、イノベーション、そしてお客様・スタッフ・株主の三者に笑顔の循環を生み出し続けるものだと解釈する。規模や社歴にかかわらず、新しい技術や発想で、世の中をもっと便利に、もっとよくしていこうという会社がベンチャーだという考え方である。
-3.立ち上げ時における資金不足+== '''参考文献'''==
- 多くのベンチャービジネス・創業で失敗する要因の一つに、「スタート時からすぐに利益をあげられる」と想定している点がある。収益性については最悪の事態に備え、最低でも利益が出るまでに2年はかかると想定すべき。つまり最初の2年間は立ち上げ時の資本を食いつぶすことを前提にした方が無難。リスクを最小限に抑えるためには(これも良く語られる話だが)、最低限の規模でスタートする事。わざわざオフィスをかまえる必要はなく、自宅の車庫、空き部屋を用いてもかまわない。かのマイクロソフトGoogleですら、スタートはガレージだったのだから。+・「10年後に後悔しない生き方~ベンチャー企業という選択~」 著 垣畑光哉 幻冬舎 (2014年)
 +・「ベンチャーが社会を変える」 編著 明石芳彦 ミネルヴァ書房 (2009年)
-4.低価格競争に巻き込まれる+pallavolo65
-大企業が低価格競争に励むのは、別の面で利益を得たり、大量生産・大量入荷で低価格以上に原価を下げているから。ベンチャービジネスが同じ価格設定で立ち向かおうとしてもかなうはずがない。高品質・アフターケア・独自のメリットの提示など、大企業には出来ない「小回りの利く点」で自らのアドバンテージを示す必要がある。+
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-5.劣悪なマーケティング戦略+
- 「1.」は立ち上げ時の事前調査不足だが、こちらは事業開始後におけるマーケティング戦略の良し悪しについて説明している。商品の質が高くても、的外れな市場展開やアピールをしていたのでは、お客さんに成りえた人たちに知ってもらうことすらかなわないだろう。提供する商品・サービスが誰向けで、どの属性の人が特に好み、どのような条件なら手にとってくれるのか、綿密な市場調査を常に繰り返す必要がある。真冬の寒空で水着は売れないのである(「真冬に水着を売る」戦略もあるが、それはよほど余力のある場合)。+
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-6.間違った・あやふやな動機における創業+
- 単に「お金持ちになりたいから」「今働いている会社の社長みたいに楽していたいから」「もっと楽な仕事をしたいから」というあやふやな理由でベンチャービジネスに傾注するのなら、まず途中でつまづくことは間違いない。元記事では「成功した創業者の多くは初めの2年間は週50-60時間は働いている」というデータを提示し、「むしろ忙しくなる」ことを示している。「お金持ちになりたい」という動機なら、明確な目標と動機付けをする必要がある。綿密な計画とはっきりとした目標設定を果たしてこそ、何をすべきかも把握しやすくなり、道のりもしっかりとしたものになる。そして何をすべきかも鮮明に見えてくるはずだ。+
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-7.家族をないがしろにする+
-創業時には何かと時間的・精神的・金銭的余裕が無くなり、家族関係がぎくしゃくしてしまいがち。しかし家族関係の悪化は、創業関係者本人にとっても(心理的、そして肉体的に)マイナスにしかならない。ましてや配偶者などに一部業務をお願いしているのなら、家族関係の悪化はビジネスそのものの悪化に直結する。母親の負担を減らすため、子供の世話を祖父母にお願いするというのも一つの手だろう。+
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-8.友人や家族から(運転資金などを)借りる+
-資金繰りに難がある際、友人や家族からの借り入れはよくあるパターン。銀行や融資機関(ベンチャーキャピタル、公的融資基金など)よりもはるかにハードルが低く、短時間で調達ができるため、つい手を伸ばしてしまいがち。しかしこれらの借入金は、現在のビジネスに対する精査(をほとんど)無しで行われているため、根本的な問題解決には何らプラスとならない場合が多い。逆にいえば、銀行・融資機関からの借り入れが出来たならば、彼らのチェックをパスしたことになるわけだ。それらの借入資金は有効に活用され、状態の改善に役立つ可能性も高くなる(貸出機関は貸し倒れをしてもらうために、貸しているわけではないのだから)。+
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-9.一人で何でも片づけようとする+
-創業者の問題点としてよく挙げられるのは、本人がスーパーマンのごとく何でもこなしてしまおうというもの。経費削減という観点では最強の方法だが、中長期的・規模拡大的な展開を考えると必ずしも良策とは言えない。弁護士や会計士、あるいは法務担当のスキルがある人や会計知識を持った人は企業として活動するには必要不可欠であるし、自分で無くともできる作業を信頼できる・技術を持った人に任せることで、自分は「自分にしかできないこと」に専念できる。事業を拡大するつもりなら、自分のコピー作成は欠かせないステップである。+
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-10.地の利を考えずに商売をする+
-駅前のファストフードや本屋、コンビニに、引っ切り無しにお客が出入りするのを見て「場所が良いと儲けやすいんだな」と感じた人もいるだろう。自分の創業する事業でそのような「地の利」を活かせるのなら、その場所を選べればベストなのだが、「美味しい場所」はなかなか空きを見つけるのが難しい。それにコストもそれなりにかかるので、創業時には向いていない。+
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- 「創業」イコール「新設の事務所での立ち上げ」ではない。「3.」でも触れたが、市場はともかく事務所そのものにこだわる必要は無い。公共機関が安価で貸し出すレンタルオフィスでも良いし、事業次第では事務所そのものが必要でない場合すらある(登記などの問題から形の上での「事業所」は必要になるが)。少しでも「美味しい場所」で事業ができるのなら、事務所のことなど二の次、三の次。創業者が勝負をするのは事業そのものであり、事務所のお披露目ではないのだから。+
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-== '''参考文献''' ==+
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-・コトバンク https://kotobank.jp/word/%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-8697+
-・GarbageNEWS.com http://www.garbagenews.net/archives/1147099.html+

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目次

意味

新しい技術や高い専門性を持ち、創造、旧来の方法などを改めて新しくする事業を展開する新興企業のことである。

日本におけるベンチャービジネス

投資家がベンチャー企業の株式を所有する「ベンチャーキャピタル」が発達したアメリカと違い、金融機関の融資に資金調達を依存しがちな日本では、起業家が育ちにくいといわれてきた。だが、近年、日本経済の活性化には、景気を刺激するベンチャービジネスは欠かせない、という認識が広がり、ベンチャー育成の環境が整備されつつある。都銀にベンチャー向けの融資制度が設けられたり、ベンチャーが株式を公開可能な「東証マザーズ」が開設されたことなどもその一環である。

ベンチャーキャピタルの意味

高い成長性が見込まれる未上企業に対し、成長のための資金を株式投資の形で提供することである。

アメリカにおけるベンチャーキャピタル

アメリカでのベンチャーキャピタル投資額は、PricewaterhouseCoopersの”MoneyTree Survey”によると1999年には356億ドル、それに対してVECの調査によると1999年の日本のVC年間投資額は1157億円と、国全体の投資額としては約30倍の開きがある。これは日本ではベンチャーがなかなかうまれないということもあるが、ベンチャーキャピタルが置かれている制度的環境の違いも大きな影響を及ぼしている。アメリカではベンチャーキャピタル出資者に占める年金基金の割合が非常に大きく、1979年のERISA改正でベンチャーキャピタルの資金を集めて投資を行う企業の運用者はそれまでの裁量権をもつことになった。

ベンチャーの考え方

ベンチャーというと、できたばかりの会社か、規模の小さな会社と思われがちだ。しかし、ベンチャービジネスとは、イノベーション、そしてお客様・スタッフ・株主の三者に笑顔の循環を生み出し続けるものだと解釈する。規模や社歴にかかわらず、新しい技術や発想で、世の中をもっと便利に、もっとよくしていこうという会社がベンチャーだという考え方である。

参考文献

・「10年後に後悔しない生き方~ベンチャー企業という選択~」 著 垣畑光哉 幻冬舎 (2014年) ・「ベンチャーが社会を変える」 編著 明石芳彦 ミネルヴァ書房 (2009年)

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