宗教10

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===宗教とは=== ===宗教とは===
-宗教とは、神または何らかのすぐれて尊く神聖なものに関する信仰。また、その教えやそれに基づく行い。また、「崇拝」することを中心とし、集団で精神や体、環境などを向上しようとする活動のこと。人間の力や自然の力を超えた存在を中心とする概念であり、また、その観念体系にもとづく教義、儀礼、施設、組織などをそなえた社会集団のことをいう。+宗教とは、「崇拝」することを中心とし、集団で精神や体、環境などを向上しようとする活動のこと。人間の力や自然の力を超えた存在を中心とする概念であり、また、その観念体系にもとづく教義、儀礼、施設、組織などをそなえた社会集団のことをいう。
-原始社会の宗教+===原始社会の宗教===
宗教の起源はまだはっきりとわかっていない。ただし、原始社会の信仰については、ヒト科動物の「ホモ・ハビリス」(直立猿人)が、約200万年前に、初めて道具を使うようになり、次に直立型の、「ホモ・エレクトゥス」(直立原人)が現れて二本足で歩くようになり、そしておよそ25万年ほど前に、「ホモ・サピエンス」(人類)が現れる過程のなかで、「ホモ・ハビリス」の段階から、死後の生命への信仰が存在した痕跡があったとされている。また、クロマニョン人は、旧石器時代後期を代表し、3万7000年前くらいから1万年くらいの間生息し、ネアンデルタール人の遺骨が、伸葬もしくは屈葬の形で葬られていたことや、クロマニョン人の墓地が一定のところに設けられ、その遺体が赤土によって染められていたことは、彼らが既に社会的協力を行い、死後の生命を信じていたことを示している、と言われている。紀元前2万年頃には、フランス及びスペインそしてウラルや南アフリカで、洞窟画が描かれていた。また、女性の性的特徴や、妊娠を強調する像が数多く見つかっていて、古代文化に死をめぐる信仰が存在し、生命に対する信仰が存在したことを表している。原始社会の人々は、強い、クマなどの動物に立ち向かう時、人々と協力するため、社会の集団で団結していた。そして、団結を維持するため、強めるため、また、狩猟採集の成功のために、様々な儀礼を行っていた。(儀礼とは、形式を整えて行う礼法のことで、聖なるものと関わる宗教的、慣習的行事のことである。)宗教儀礼は、人類の直接の祖先とされる「ホモ・サピエンス」および旧石器時代のネアンデルタール人やクロマニョン人の生活において、重要な部分を構成していたと言われている。 宗教の起源はまだはっきりとわかっていない。ただし、原始社会の信仰については、ヒト科動物の「ホモ・ハビリス」(直立猿人)が、約200万年前に、初めて道具を使うようになり、次に直立型の、「ホモ・エレクトゥス」(直立原人)が現れて二本足で歩くようになり、そしておよそ25万年ほど前に、「ホモ・サピエンス」(人類)が現れる過程のなかで、「ホモ・ハビリス」の段階から、死後の生命への信仰が存在した痕跡があったとされている。また、クロマニョン人は、旧石器時代後期を代表し、3万7000年前くらいから1万年くらいの間生息し、ネアンデルタール人の遺骨が、伸葬もしくは屈葬の形で葬られていたことや、クロマニョン人の墓地が一定のところに設けられ、その遺体が赤土によって染められていたことは、彼らが既に社会的協力を行い、死後の生命を信じていたことを示している、と言われている。紀元前2万年頃には、フランス及びスペインそしてウラルや南アフリカで、洞窟画が描かれていた。また、女性の性的特徴や、妊娠を強調する像が数多く見つかっていて、古代文化に死をめぐる信仰が存在し、生命に対する信仰が存在したことを表している。原始社会の人々は、強い、クマなどの動物に立ち向かう時、人々と協力するため、社会の集団で団結していた。そして、団結を維持するため、強めるため、また、狩猟採集の成功のために、様々な儀礼を行っていた。(儀礼とは、形式を整えて行う礼法のことで、聖なるものと関わる宗教的、慣習的行事のことである。)宗教儀礼は、人類の直接の祖先とされる「ホモ・サピエンス」および旧石器時代のネアンデルタール人やクロマニョン人の生活において、重要な部分を構成していたと言われている。
===宗教の類型=== ===宗教の類型===
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阿部美哉(1999)『世界の宗教』丸善株式会社 阿部美哉(1999)『世界の宗教』丸善株式会社
加藤智見(2005)『世界の宗教と信仰 八つの型と共存への道』大法輪閣 加藤智見(2005)『世界の宗教と信仰 八つの型と共存への道』大法輪閣
-wikipedia『宗教』+wikipedia『宗教』https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%97%E6%95%99
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目次

宗教とは

宗教とは、「崇拝」することを中心とし、集団で精神や体、環境などを向上しようとする活動のこと。人間の力や自然の力を超えた存在を中心とする概念であり、また、その観念体系にもとづく教義、儀礼、施設、組織などをそなえた社会集団のことをいう。

原始社会の宗教

宗教の起源はまだはっきりとわかっていない。ただし、原始社会の信仰については、ヒト科動物の「ホモ・ハビリス」(直立猿人)が、約200万年前に、初めて道具を使うようになり、次に直立型の、「ホモ・エレクトゥス」(直立原人)が現れて二本足で歩くようになり、そしておよそ25万年ほど前に、「ホモ・サピエンス」(人類)が現れる過程のなかで、「ホモ・ハビリス」の段階から、死後の生命への信仰が存在した痕跡があったとされている。また、クロマニョン人は、旧石器時代後期を代表し、3万7000年前くらいから1万年くらいの間生息し、ネアンデルタール人の遺骨が、伸葬もしくは屈葬の形で葬られていたことや、クロマニョン人の墓地が一定のところに設けられ、その遺体が赤土によって染められていたことは、彼らが既に社会的協力を行い、死後の生命を信じていたことを示している、と言われている。紀元前2万年頃には、フランス及びスペインそしてウラルや南アフリカで、洞窟画が描かれていた。また、女性の性的特徴や、妊娠を強調する像が数多く見つかっていて、古代文化に死をめぐる信仰が存在し、生命に対する信仰が存在したことを表している。原始社会の人々は、強い、クマなどの動物に立ち向かう時、人々と協力するため、社会の集団で団結していた。そして、団結を維持するため、強めるため、また、狩猟採集の成功のために、様々な儀礼を行っていた。(儀礼とは、形式を整えて行う礼法のことで、聖なるものと関わる宗教的、慣習的行事のことである。)宗教儀礼は、人類の直接の祖先とされる「ホモ・サピエンス」および旧石器時代のネアンデルタール人やクロマニョン人の生活において、重要な部分を構成していたと言われている。

宗教の類型

世界の各地には、様々な宗教が存在し、それぞれの地方の社会や文化を特徴づけている。まず、アミニズム的な精霊(アニマ)、崇拝から霊鬼(デーモン)崇拝を経て多神教(ポリシイズム)へ、多神教から単一神教(ヘノシイズム)・交代宗教(カセノシイズム)を経て最後に一神教に達するという、進化論的な類型がある。この分類は、キリスト教の立場を中心にしすぎているため、19世紀になり、未開宗教や、仏教などについての知識が伝えられてくると、修正が必要になったという。宗教集団と社会との関係を基準とすると、合致的宗教集団と特殊的宗教集団が対になっている類型がある。合致的宗教集団は、自然的宗教集団とか従属的宗教集団ともよばれ、民族宗教における民族や、氏神信仰における氏族や、自然に成立している社会集団がそのまま宗教的意味を担って宗教集団と合致し、宗教集団が社会集団に従属する類型である。特殊的宗教集団は、特定の教義(教義とは、宗教の教えの内容、主張のこと)の主張、儀礼の執行やそのための施設の保持、信者の教化育成という特殊な目的によって組織された宗教団体のことである。 宗教と政治の関係を基準にすると、政教分離制度を前提とする見方と政治と宗教との緊密な関連を当然とする見方との対比がある。例えば、フランス、アメリカ、日本などのように政教分離制度を採用している諸国もあるが、イラン、イスラーム共和国、パキスタン、イスラーム共和国などのように、国名に宗教名が入っていて、政治と宗教は一体とする国もあるので、その実態は様々である。

世界の宗教

世界の宗教として、信仰者の多いキリスト教(20億人)イスラム教(13億人)ヒンドゥー教(9億人)仏教(3億6000万人)儒教・道教(2億3000万人)など、様々な種類がある。

日本の宗教

日本は、たいへん風土に恵まれた環境にある国で、日本の人々は、風土によって育てられてきたので、超越した存在の神ではなく、血のつながりのある身近な「祖先」を神として崇めるようになった。恵まれた自然に囲まれた日本人は、自然に心の安らぎを感じ、神聖感を感じた。異民族との激しい紛争や闘争の経験がなく、すべてのものに一体化を感じながら生きてきた日本人は、キリスト教や、イスラム教のような「ただ一つの神」ということではなく、多くの神々を自然中に信じる「神道」という考え方であった。それゆえ、日本人は、ほかの神も信じることができ、ほかの信仰も寛容に理解することができる。具体的に、神道の神々としては、本居宣長が、「八百万の神」と古事記伝に記していて、イスラム、キリスト教のような一神教に対し、「多神教」と呼ばれている。海や川、大地や樹木などの自然物や、オオカミや蛇などの動物が神々とされた。これらの神は、まとめて自然神と呼ばれた。また、英雄や偉人も神とされ、菅原道真は天神、人々の祖先も、祖先神として大切にされ、人間神と呼ばれた。さらに、観念神として分類される神も、存在していた。美しいものや、偉大なもの、神秘的なもの、すべてを信仰の対象にしている。つまり、日本人は、神一人ではなく、多くの神に囲まれて生きてきたということである。日本人って、何教なの?とよく耳にするが、これらのことから、少し納得できる。

仏教

仏教は、インドの釈迦を開祖としていて、世界三大宗教の一つである。約2500年前に提唱された。他の世界宗教と異なる点として、自然崇拝や民族宗教などの原始宗教をルーツに持たないということがあげられる。

仏教の「仏」とは、人間がなるものであり、「成仏」という言葉の通りである。(成仏とは、死ぬことではなく、仏になることをいう。)キリスト教や、イスラム教とは、この点が大きく違う。キリスト教や、イスラム教の、ヤハウェや、アッラーのような神は、絶対に人間がなるものではなく、しかし、仏教の場合は、すべての人間が仏とならなければならない。釈迦も、仏になった一人である。「一切衆生悉有仏性」という言葉は、人は、すべて、仏になる本性を宿している、という意味を持っている。仏は、人間を超越した存在でも、人間を創造した存在でも、支配する存在でもなく、先輩、お手本のような存在である。人間と仏は、異質な関係にあるわけではない。

キリスト教

キリスト教の信仰対象は、神、イエス・キリスト、マリアである。

キリスト教の神ヤハウェは、厳格で厳しい神である。「旧約聖書」の第一戒に、「あなたは、わたしをおいてほかに神があってはならない」とあるように、ほかの神を認めていない。キリスト教信仰の特徴として、キリスト教の神は、「信仰のない人間」「神から遠く離れ去り、姦淫の喜びに追い回されていうような人間」「無一文で帰ってくるような人間」「死に至るまで罪なくしてはありえない人間」「自己のことしか考えられない人間」「神を嫌悪し、呪うような人間」そのような罪人にこそ、「義人にしよう」「優しい父となろう」「自ら近づこう」「信仰も与えよう」としている。つまり、自分が、神から離れて行ってしまうような状態になった時には、その状態でこそ神が心がけてくださっていると思い、神に深く感謝する気持ちが沸き起こってくる、という要素がある。そして、キリスト教信仰とは、神が「人間の内に注ぎ込んでくださる」ものであり、それを「受け取る、いただく」ことである。なので、単なる人間の行為ではなく、神が、自ら人間に先立って人間に引き起こさせている、と、気づくことによって生まれる要素である。

イスラム教

イスラム教は、絶対唯一の神アッラーを信仰する、一神教である。信仰の形としては、服従的信仰である。七世紀初めに、アラビア人のムハンマドによって創られた宗教であり、それ以前は、様々な部族がそれぞれに分かれて別々の、自分たちの神を崇拝していたが、ムハンマドが40歳の頃、アッラーの啓示を受けたことによって、創唱されたという。アッラーの啓示の内容は、「起きて、警告せよ」という命令で、堕落した社会に終末が迫って来ていること、偶像崇拝をやめてアッラーのみを崇拝すること、弱者、貧者を助けること、が中心であったという。「コーラン」は、彼が受けた啓示をまとめた聖典である。イスラム教は日本とは正反対に、厳しい自然の中、自然を敵としか感じず、厳しい神に保護を求めるという他はなかった。徹底的に、神を畏れるところに、イスラム教信仰は生まれる。畏れが信仰を生み、強めるのが、イスラム教信仰の特徴だ。徹底して、神を頼ってすがる要素が中心的である。徹底して畏れ、徹底して服従する。人間がなった、仏のような存在とは全く違った存在のアッラーなので、ただ服従するしか方法はない。厳しい自然の中で、アッラーに従った者のみが、生き残れるという思想からである。また、上段のキリスト教では、アダムが神命に背いて犯した原罪は子孫にまで及ぶとされているが、イスラム教の場合、罪の問題はそれほど深刻にはならず、罪に悩むことよりも、善い行いをすることの方が、大切であるとみなされている。キリスト教では、信仰対象が、神、イエス・キリスト、マリア、と三つあったが、キリスト教の場合は、「神」のみであるため、非常に厳格な、服従型信仰と言えるだろう。

道教について

道教とは、中国の庶民の間から起こった宗教であって、自然発生的におこった宗教なので、教祖、開祖はおらず、教団としての組織ができたのは紀元後二世紀半頃である。台湾では今でも盛んに崇拝され、神々を祭る廟や、神々を祭る小さな建物である小祠が存在する。また、日本も道教の影響を受けており、日本の「修験道」などは、道教の日本版、とまで呼ばれているという。 道教は、不老不死の願いが強く、むやみに長生きをする、ということではなく、「道と一体になって生きれば肉体が滅んでも真の生命は滅びず、永遠に生きる」という老子の教えが基礎となっている。「正しく神を信仰することによって、長生を与えられる」という要素が、主な特徴と言えるだろう。自然の道を力と信じ、一体となることに、道教信仰はある。

参考・引用文献

阿部美哉(1999)『世界の宗教』丸善株式会社 加藤智見(2005)『世界の宗教と信仰 八つの型と共存への道』大法輪閣 wikipedia『宗教』https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%97%E6%95%99

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