漫画

出典: Jinkawiki

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2015年7月30日 (木) 17:27の版
Bunkyo-studen2014 (ノート | 投稿記録)

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今や、日本文化の代表ともなった「漫画」。だが、世界各国では様々な漫画文化がある。2012年11月18日に、東京ビッグサイトで行われた「海外マンガフェスタ」では日本以外で出版された世界各国のマンガが集合した。当日出展していたブースには、スペイン、カナダ、台湾、香港、UAEの各国・各地域の漫画があった。

まず、世界の漫画には大きく3つの流れがあるようだ。「アメリカン・コミック」(アメコミ)、『タンタンの冒険』や『スマーフ物語』で知られるフランス、ベルギー発祥の「バンド・デシネ(ユーロ・コミックス)」、そして日本の「漫画」だ。

カナダの漫画はアメコミの影響を強く受けているそうだ。作品もモノクロは少なく、フルカラーが主流である。香港の漫画の多くはフルカラーのアクションもの。ぱっと見、アメコミ風だ。だが絵はアメコミとは一味違う。どちらかというと日本の劇画に近い。『巨人の星』で知られる川崎のぼる先生の影響を強く受けた香港人作家の作品が大ヒットしたため、現在も劇画調が主流なのだという。だが、日本の劇画と比べて、かなり線が描き込まれており非常に繊細な印象を受ける。一目見て「香港の漫画」とわかるように、独自の漫画文化を形成しているように感じられた。アート性が高いバンド・デシネ。現在、スペインでは市場としては、バンド・デシネが主流だそうだ。しかし、若者には日本の漫画やアニメも人気。それらを見て育った若手漫画家が、スペイン漫画界に新しい風を吹き込んでいるようだ。セルバンテス文化センター第1回コミックコンクールでグランプリを獲得した若手漫画家のハビエル・ガルシア・マルティンさんも、影響を受けた日本の漫画として『ナルト』、『ワンピース』、『ドラゴンボール』を挙げている。台湾は日本の漫画の人気は絶大。台湾漫画市場の85パーセントは日本の漫画ではないかとのことである。台湾作家への影響も強く、舞台が日本の高校というものもある。だが、台湾が舞台の作品も着実に増えている。以前、ロケットニュースでも紹介したロリコン化した孫文が活躍する『跳躍吧!大同萌会』もそのひとつ。現地でもヒットしているそうだ。

アラブ首長国連邦は、独自の漫画文化はまだ形成されておらず、「漫画」と呼ばれるものはほぼ外国から輸入されたものだそう。特にアメコミが人気とのこと。だが、2006年に出版経営者カイス・セドキ氏がUAEのオリジナル漫画を作ろうと発起。『ゼルダの伝説』のコミカライズを手がけた姫川明先生に作画を依頼した。その約3年後、両国のコラボで誕生した『Gold Ring』はUAE初の漫画として刊行され、現地では大変な人気に。また、児童文学賞を受賞し、子どもに読書の習慣がついたと大人からも支持されているという。

今までは、漫画と言えば特定のコンテンツを除き、日本からの輸出ばかりがフィーチャーされてきた。しかし、今後は海外から日本に入ってくることも増えるだろう。例えば、今年、外務省主催の国際漫画賞で最優秀賞に輝いた『ジャイアントキラー』は、日本でも刊行が予定されている。今後は、漫画を通してもっと世界を知ることができるようになるかもしれない。


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