大和川病院事件

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2015年7月31日 (金) 04:47の版
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目次

概要

1993年、大和川病院に入院中の患者が暴行を受け、搬送先の病院で死亡するという事件があった。その患者は、大和川病院への入院時の検査では身体的な外傷はなかったが、数週間後には肺炎による呼吸困難に陥り、救急車で搬送された。搬送時は、打撲が原因とみられる皮下出血・骨折・脱水症状などがあり意識不明の状態で、その7日後に亡くなった。
その後この事件に関して裁判が起きるが、そこで大和川病院の医師・看護師数の不足が明らかになる。そして1997年3月には、同病院の元・現看護師らが語った同病院の実情を新聞各紙が掲載した。その内容は、

  • 医師、看護師の水増し報告
  • 出勤簿・タイムカード・賃金台帳の偽造
  • 資格の持たない職員に医療行為をさせること
  • 死亡診断書を看護師が記入
  • 投薬は病名ごとに一律で指示すること
  • ヘルパー・看護師不足のために身体拘束が常態化していたこと

などである。

明らかになった日本の課題

行政の医療監視

今回の事件発覚は、もともと家族・職員らによる訴えに始まる。また、行政の対応開始は、マスメディアによる報道が契機だった。これはつまり、誰かの犠牲と勇気がないと行政による医療面での保障はされないということである。よって、行政の医療監視が向上する必要がある。

病院内部の改革

この事件の他にも病院内での暴力が存在するので、事件は絶えない。よって、職員研修や設備の調整など、精神科病院自体が改善される必要がある。しかし、これらの努力・改善は医療側を主体として扱われることが多い。どこまで患者主体で改善していけるかが重要となっている。

第三者機関

精神科病院入院者の権利擁護と医療の質の向上には、第三者機関としての権利擁護機関の存在が必要と思われるようになった。その機関が機能を発揮するには、行政・精神医療審査会・精神科病院との適度な緊張感と協力関係とのバランスが必要である。そのバランスを保ち、精神保健福祉システム全体の改善にむけての取組が求められる。

情報公開

これまで行政が情報を公開しなかったことで問題の改善がなされなかったことを踏まえ、改善策を講じる必要がある。改善策のための方針を社会全体で考えていくために、情報の公開が必要である。


参考文献:金子努、辻井誠人(2009)『精神保健福祉士への道~人権と社会正義の確立を目指して~』久美株式会社

ハンドルネーム:Ni-yon-zero


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